連日、ソチ五輪の話題が賑やかだね。銀メダルと銅メダルを獲得したスノーボードの男子ハーフパイプや、ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの快挙には日本中が沸いた。良いも悪いも、まさに五輪祭りだね。
 
それにしても、日本人は本当に五輪が好きだ。それはアマチュアリズムの精神主義が色濃い日本のスポーツのあり方と絶妙にマッチするからだろう。プロ選手のように華やかな生活を送るでもなく、きつい鍛錬を耐え忍んで、4年に一度の大舞台にすべてを賭ける。このドラマ性が胸を打つのだろうね。

と同時に、メディアが作り出す「流行」に大衆が釣られているというのもあるだろう。新聞やテレビはここが売り時とばかりに、4年に一度の過熱報道を繰り広げる。大会前からあれだけ盛り上げていけば、いやがおうにも注目度は高まるよね。大会中は、誰々選手の地元の声、親御さんの表情、過去のエピソードを集め、扇情的に描く。その演出の仕方は完全にパターン化しているけど、これはもはや日本の文化と言ってもいいかもしれない。

大きく盛り上げるのも、大衆がその流行に乗っかるのも悪いことではないけど、いつも思うのは、五輪以外の日々に対しても目を向けようよ、ということだ。これは女子サッカーのなでしこフィーバーの時にも感じたことだ。
 
メディアは売れる売れないで判断するから、五輪以外は知らんぷり。人々は五輪以外の彼らに興味を抱かない。女子ジャンプでメダルを期待されながら4位となった高梨沙羅に対して、お茶の間から大きな溜め息が漏れたけど、なんだか彼女が気の毒な気もするね。

本来なら、五輪のメダルだけでその競技、その選手を判断しちゃいけない。五輪以外にも大会はたくさんあって、彼ら、彼女たちは毎日厳しい練習を積んで、いろいろな場所で戦ってきている。メダル獲得に盛り上がるなら、その分、五輪以外の日々にも注目してもらいたいね。スポーツは、打ち上げ花火じゃなくて、もっと「日常」であるべきなんだ。