ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役が退任を明らかにし、一つの時代が終わった。そこで、今後に向けて新たな名前が浮上してきている。1人ではない。ガッリアーニ氏はコミュニケーション部門、代表取締役、ゼネラルマネジャー、スポーツディレクターと、複数の役職を兼任していたからだ。1人が去って、ミランは4人を招へいするのである。

バルバラ・ベルルスコーニ女史はチームをつくりつつあるところだ。だが、多くの候補者リストの中で、現時点でフリーなのは、パオロ・マルディーニ氏しかいない。

ゼネラルマネジャーか代表取締役としてバルバラ女史が以前から気に入っているのは、クラブではラツィオやパルマ、連盟ではイタリアサッカー連盟やイタリアオリンピック委員会で経験を積んでいるミケーレ・ウーヴァ氏だ。

ウーヴァ氏は国外リーグやアメリカンスポーツの組織にも精通しており、マーケティングのルールや設備の重要性も分かっている。近年のスポーツ界のディレクターにとってのマニュアルであるレポートの共著者でもある。非常に堅固な関係にある現ローマのクラウディオ・フェヌッチ氏とコンビを組むかもしれない。ただし、2人とも今はフリーではない。

ウーヴァ氏の代役候補の一人が、デメトリオ・アルベルティーニ氏だ。ミランのレジェンドの一人で、イタリアサッカー連盟の現副会長である。経験豊富で、イメージとしても適している。若いが、権力や役所のバランスにも慣れている人物だ。

スポーツディレクター候補も全員、今はフリーではない。パルマのピエトロ・レオナルディからヴェローナのセアン・ソリアーノ、最近ではローマのワルテル・サバティーニの株も上がっている。フェヌッチ氏とウーヴァ氏のコンビが実現するならなおさらだ。“ローマ組”でまとめるのは有意義だろう。

謎となるのは、ガッリアーニ代表取締役がすぐに去るのなら、誰が1月のマーケットを担当するのかという点だ。暫定的にはパオロ・マルディーニ氏になるかもしれない。だが、いずれにしてもスポーツディレクターは必要だ。アリエド・ブライダ氏もガッリアーニ代表取締役と一緒に去るからである。

監督については、以前から決まっているようだ。クラレンス・セードルフが明らかに有利である。ただ、サプライズの可能性も除外できない。マッシミリアーノ・アッレグリ現監督の今後によるところも大きいだろう。セルティック戦の快勝でアッレグリ監督は息をつくことができた。セードルフの監督ライセンス取得が4月ということもあり、セードルフ派の人にとっても、現状維持が悪くないだろう。