J2の下部リーグに相当するJ3の設置を目指す「J3構想」が現実味を帯びてきている。最短なら来年2014年に開幕、スタートは10クラブほど、その中にはJ1のセカンドチームが参戦する可能性もあるという。

 この構想自体には賛成だ。けれど、Jリーグはサテライトリーグをなくしているという過去があることも忘れてはならない。ただ頭数を揃えて、とにかく3部制をスタートさせるというように、事を急ぐ必要はないと思うね。

 サテライトがなくなったことを考えれば、今のJ1でセカンドチームを持てるクラブがどれだけあるだろうか。個人的には、J1とJ2の数を減らして、より密度の濃い3部制にすべきだと思っている。

 実態がおろそかなまま、「J3構想」というただ一点に向って焦り、ただJリーグという価値観を押し付けるようでは、いずれ衰退してしまうだろう。Jリーグの規定をクリアするために、自治体が無理をして、スタジアムも無理をして、背伸びをした結果がどうなるか。言わずもがなだよね。

 スタジアムが小さくても、無理のない経営で、大切に選手を育てて、ビッグクラブに売る。そういうサイクルで回るクラブがあってもいい。海外では当たり前だよね。今の考えのままJ3を設置しても、入れ替え戦の恐怖に怯え、若手も起用しない、貧しいクラブが増えるだけなような気がする。

 要するに、すべてを興行的に考える必要はないということだよ。スポーツはお金を目的にすると、いずれ必ず失敗する。核となる文化、理念があるのか。そこのところをもう一度よく考える必要があると思うね。