中国も超音速武器の開発作業を大々的に実施していると言い切れる。例えば中国・科技日報は2012年6月、北京の郊外でマッハ9の超音速風洞が建設されたと伝えた。これは超音速機の空気動力模型の試験に必要な設備だ。

 米国が発表した資料によると、中国は超音速機を大々的に開発しており、少なくとも宇宙飛行機および超音速巡航ミサイルの試作品製造という、2つの方向に向かって展開されている。

 2011年にH−6爆撃機により打ち上げられ亜軌道飛行を実現した、無人宇宙飛行機「神龍」(863−706計画)は、飛行試験の延長線上にあると見られる。同機は攻撃用のツールとして、軍事目的に使用される可能性がある。中国側はまた同機のステルス性向上に向け研究を進めている。

 成都で開発された超音速巡航ミサイルの構造は米国のX−43に似ており、水素燃料を使用し、空気中の酸素を酸化剤とする。宇宙飛行機に一連の軍用・民間用バージョンが生まれるとした場合、成都が製造する航空機は十中八九、攻撃用の武器として用いられるだろう。

 中国はロシアと同様、弾道ミサイルの新たな弾道を製造する際に、超音速技術を採用する可能性が高い。米国の限り有るミサイル迎撃システムが、小規模な核兵器しか持たない中国人民解放軍に深刻な脅威を与える可能性があることから、敵国のミサイル迎撃システムへの対抗手段の開発は重大な意義を持つ。この場合、超音速ミサイルの使用がもっとも効果的だ。(完結)(編集担当:米原裕子)