街のガソリンスタンドが次々となくなる!! その意外な理由とは?
つい最近まで元気に営業していたガソリンスタンドが、突然廃業や閉店。そんなマサカ!? な事態が次々と現実になりつつある昨今。エコカーの普及やクルマ離れ、不景気の影響など、どれだけ深刻なのかと思ってしまいますが、街のガソリンスタンドがどんどん廃業に追い込まれる背景には、一般のドライバーには知られていない意外な理由があるってご存じでしたか?
その理由とは2011年2月に施行された消防法改正にあります。いったいどういうことでしょう?この法改正の要点をまとめてみると次のようになります。
・40年以上前に埋められた燃料用地下タンクの改修を義務づけ
・猶予期間は施行後2年間、2013年2月まで
・改修を行わないガソリンスタンドには法的処置がありうる
ただでさえ不景気で経営が苦しいうえに、複数のSSが並ぶエリアではきびしい安値合戦を強いられるガソリンスタンドにとってこの法改正は大きな痛手です。地下に埋められた大型タンクの改修には1基あたり最低でも100万円以上のコストがかかり、ガソリン以外に灯油や軽油など複数のタンクがあるため総額で1000万円を超えるケースもあるといいます。また老朽化したタンクは改修ではなく交換という方法もあり撤去費用の3分の2まで補助が受けられますが、たとえ新しいタンクを入れても将来的に黒字経営が見込めなければ、やはり廃業するしかありません。
全国のガソリンスタンドはマイカー時代の到来と高度経済成長期に合わせて続々と建設されたため、かなりの数のタンクが40年以上を経過しています。そして実際、タンクの腐食による漏洩事故は毎年わずかではありますが発生しています。老朽化を放置すれば土壌汚染を引き起こし、さらに深刻な事態になるでしょう。
猶予期間が終了する来年2月に向けて、これからますますガソリンスタンドの廃業が増える恐れがあります。深刻な影響を受けるのは都市部より過疎地です。スタンドがなくなれば灯油だって買えません。わざわざ給油のために何kmもの移動を強いられるなら、エコカーなんて何の意味もなくなります。ガソリンスタンドは地域を支える基幹インフラであることを思えば、国による早急な対策が必要ではないでしょうか。
タンク改修業者による参考サイトはこちら。
■ガソリンスタンド、40年以上前の地下貯蔵タンク改修義務化へ(東洋ケミカル機工)
http://tikatank.info/
(まるほ商会)