西武ライオンズからポスティングでメジャー入りを目指している中島裕之のヤンキースとの交渉が難航しているという。
ヤンキースに認められた中島との交渉期限は、日本時間の7日。
もはや決裂の可能性高し、という報道を目にする。

聞けば、交渉難航の理由は契約条件だという。
中島側が、西武でプレーした昨季と同程度(2億8千万円)の年平均額の複数年契約を求めているのに対し、ヤンキース側の提示は1年契約でしかないようだ(金額は不明)。

私は中島側(というか彼の代理人)が、ヤンキースの条件に難色を示しているのが理解できない。
まさに、メジャーの中ではヤンキース以外に選択肢が無い現在の中島に必要なのは単年計約ではないのか。
巷で噂されるように、中島がヤンキースに入団すると控え内野手としての役回りは避けられないだろう。
中島は好選手だが、どう見てもロビンソン・カノー、A"Rod、デレク・ジーターの内野陣に割って入るのは限りなく不可能だといわざるを得ない。
しかし、A"Rodやジーターは体調の不安や加齢による衰えにより、内野手としてフル出場するのも同様に難しいだろう。
言い換えれば、レギュラーの座は掴めなくてもある程度の出場機会が得られるのもほぼ間違いないのだ。
そして、野球人ならだれでも憧れるあのピンストライプのユニフォームと全世界の注目が集まるニューヨークという舞台がある。

中島にとってベスト・シナリオは、1年契約の元で決して少なくは無いであろう控えとしての出場機会でしっかり結果を出し、自らの価値を高め今年のオフにFAとなりレギュラーとしての確約の場が望める進展地に移籍することである。
逆に言えば、ヤンキースから中途半端な複数年契約で囲い込まれ、控えとして飼い殺しにされることが最悪のシナリオなのだ。
私は、ポスティング費用として控えでしかない中島に250万ドルも投じるヤンキースは、その分年平均の総単価を低めるために3年程度の複数年契約を強いるのでないかと懸念していた。

ところが、実際にはヤンクスの提示は1年契約だという。
まさに願ったり、叶ったりではないか。
もちろん契約年数が短いだけではなく、その金額も相当低いだろう(メジャー最低年俸かも知れない)。
しかし、それがなんだと言うのだ。
交渉権を得る球団が確定もしないうちから、契約提示条件も明らかでは無い段階から「メジャーに行きます」と、言い切っていたのは誰だ。
高額契約は今季しっかり結果を残し、自ら勝ちとれば良い。
それが嫌ならそもそもポスティングなんぞでメジャーを目指すべきではない。

中島よ!低金額の1年契約を敢えて掴め!そしてこのチャンスをものにするのだ!