■移籍金に関するルール変更
浦山
「Jリーグは2009年の末に、移籍金に関するルールを変更しました。これに関して、どうしたいきさつで変更したのかが判らない部分があります。何故、猶予期間が短い中で変更をしたのでしょうか?」

加部
「FIFAから圧力が掛かって、FIFAのルールに合わせるしかなくなったんだよ。日本には独自のルールがあって、二重のルールになっていたから、矛盾点が出てきていたんだ」

小澤
「だいぶ前から、選手側からはおかしいという意見が出てきていましたからね」

加部
「今のJリーグは、悪い意味でのどんぐりの背比べになってしまっている。お金のあるチームが強くないし、良いサッカーをしていない。ドイツで言うところのバイエルンみたいに“バイエルンは国内リーグの終着点”というような形が出来上がっていない。だから、選手として浦和に売られていくのが良い事なのか、という判断は難しい。浦和のフロントは、まだ自分たちが一番のビッグクラブだと思っているかもしれないけれど、選手が同じように考えているとは限らない。」

小澤
「そこにはとても日本的な考え方があって、Jリーグだとほとんどのクラブが優勝を目指します、などと言いますよね」

加部
「国内が活性化していないから、どうやって良い方法を考えようか、という方向に進まない部分もあると思う」

浦山
「ヨーロッパは地政学的に日本から遠いですよね。先ほど小澤さんがおっしゃったように、彼らがJリーグを見に来るということも簡単ではないし、我々は今後、アジア市場を無視してはいけないのではないかと個人的に考えています。中国はここ十年くらい、毎年GDPの成長率が7パーセントとか無茶苦茶な経済成長をしていて、信じられないくらいお金が回るようになっています。中東はずっと景気が良いですし、そこへ売っていく、というような考え方はないでしょうか」

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■著者プロフィール
加部究
1958年生まれ。東京都出身。立教大学を卒業後、スポーツニッポンへ入社。ワールドカップを取材するため会社を3年で退職。以降、1986年メキシコワールドカップから6大会連続で取材を行っている。近著に『ワールドカップ全史』(コスミック出版)がある。

小澤 一郎
1977年、京都市生まれ。サッカージャーナリスト。スペイン在住歴5年を経て、2010年3月に帰国。スポナビ、footballista、サッカークリニック、サッカー批評、サッカー小僧、ジュニアサッカーを応援しよう!などで執筆中。
著書に『スペインサッカーの神髄』(サッカー小僧新書)がある。また、「まぐまぐ」より、メルマガ『小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」』を配信中。

浦山利史
1975年、埼玉県生まれ。「サッカーを読む!Jマガ」編集長

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