北京市内の小学校に通う児童が先日、実験の結果市場に流通している大部分のキノコに漂白処理が施されていることが判明したと発表して世間を騒がせた。その後食品安全当局は「実験結果は信用できない」との声明を発表したものの、市民の多くは当局の声明を信じていないことが、ネット上のアンケートによって明らかになった。鳳凰網が伝えた。

 地元の青少年科学技術館の科学探究班員であるこの児童は、今年2月に母親より漂白キノコの話を聞いたのをきっかけに、7月にスーパーや市場で買った16種類の食用キノコについて実験を行ったところ、漂白剤を使用した形跡があるとの結果がでたという。

 11月下旬にこの結果が国内メディアによって大きく取り上げられ、騒ぎとなった。これに対し工商局は直ちにこの実験結果を否定したほか、12月1日には北京市食品安全弁公室が市内で行った漂白剤使用に関するサンプル検査の結果を報告、98%が合格であったと伝えた。また、4日には中国食用菌協会が「小学生の実験結果は信用できない」というコメントを発表した。

 しかし、当局による釈明の方がはるかに説得力に欠けると思われているようだ。あるネットサイトが行った「小学生を信じるか工商局を信じるか」というアンケートでは、4日晩時点で3119名の回答者のうち「小学生を信じる」が1122票だったのに対して「工商局を信じる」はわずか8票だった、と記事は伝えた。そのほか「国家機関が小学生に負けるとは情けなさすぎ」「小学生を非科学的という工商局は科学的なものを出せるんだろうな」といった選択肢に多くの票が集まったようで、工商局の肩を持つ意見はほとんど見られなかったという。

 食用キノコの安全問題もさることながら、オフィシャルな機関が発する情報に対する信頼が大きく低下しているという問題も浮き彫りとなったようだ。(編集担当:柳川俊之)



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