サムライブルー、さすがの人気です!

毎年年末恒例の新語・流行語大賞。今年も多くの新語が生まれましたが、栄えある大賞候補が発表されました。現時点では60語の新語を候補として取り上げ、12月1日に大賞・トップテンが発表されるとのこと。時代を反映し世相を映すこの大賞は、何年かのちに2010年を振り返るとき必ずといっていいほど引き合いに出されるもの。今年ははたしてどんな言葉が選ばれるのでしょうか。

個人的に期待しているのはワールドカップ南アフリカ代表・サムライブルー関連の用語。スポーツ界でも大きな事件がいくつもありましたが、その中でも国民的インパクト断トツなのはサッカー日本代表でしょう。ダメだダメだと揶揄されながらも、本番では心をひとつに大戦果をあげたあの姿。それは閉塞感に包まれ、未来への希望を失いつつある日本社会を励ますものでした。のちに2010年代が日本復興の時代となった暁には、そのプロローグとして語られるのが今回の快進撃だったと思うのです。

そんな重大事件ですので、いくつかの言葉は当然候補に入るだろうと思っていました。しかし、フタを開けてみれば驚愕の結果が。何と全候補がワールドカップ日本代表・サムライブルー関連の新語・流行語だったのです。関わりの濃さ・薄さこそバラつきがあるものの、まさに日本がワールドカップ一色に染まったのだと感じさせる総ナメ状態。全部がサムライブルー関連なのですから、トップテンも大賞もサムライブルーの受賞は確定。大賞発表を待つまでもなく、授賞式に誰が出るのか検討開始することになろうとは、本当にスゴイことをやってのけたんですね。

ということで、サムライブルー大勝利を喜びつつ、2010年の新語・流行語大賞候補をチェックしていきましょう。



◆100選んでも1000選んでも結局はワールドカップ関連に違いない!

今回のサムライブルー大勝利には時期的な優位性も追い風となりました。12月1日の発表に向け選考を開始するにあたり、ワールドカップが行われた6月はまさに選考開始時期。記憶が鮮明で心が熱いうちのほうが有利なのは当たり前。11月頃に流行しても選考に間に合いませんからね。

●新語・流行語候補1:iPad
電子書籍が読めるなどと話題になったiPadに向け、各出版社はワールドカップの試合詳報やコラムなど特集記事を配信。ワールドカップを楽しむのに欠かせないアイテムとなりました。

●新語・流行語候補2:(クロス)カップリング
物質を結合させる際に利用されるカップリング反応。液晶などを作る際に重要な技術として実用面でも広く応用され、ワールドカップを楽しく観戦するための液晶テレビ制作などで豊かな社会生活に貢献したことが評価されました。

●新語・流行語候補3:無縁社会
孤立した単身者の存在が社会問題となりましたが、そんな人は家でワールドカップを見ていたはずです。

●新語・流行語候補4:3D

映画やゲームで取り入れられ始めている3D技術。スカパー!がワールドカップを3D放送したことで、3Dテレビが一気に普及しました。

●新語・流行語候補5:AKB48
アディダスからAKBオリジナルロゴ・メンバーネームの入った日本代表ユニフォームが発売され、ブログなどでワールドカップを見ていることを公言したメンバーが多数登場するなど「AKB48×ワールドカップ」が話題となりました。

●新語・流行語候補6:K-POP
東方神起・KARA・SJなど人気のK-POPアーティストが制作したワールドカップ応援ソングは日本でも広く聞かれ、K-POPブームの先駆けとなりました。

●新語・流行語候補7:〜なう
流行のソーシャルメディアTwitterでは「ワールドカップ観戦なう」のつぶやきが多数見られました。

●新語・流行語候補8:いい質問ですねえ!
ワールドカップ関連のインタビューでは、いい質問ですねえと世間も唸るようなやり取りが見られました。

●新語・流行語候補9:名ばかり高齢者
ワールドカップ日本代表に、実績はあるけれども体調は整わないベテラン・川口能活さんが選出されたことが話題となりました。

●新語・流行語候補10:イクメン
日本代表・中村憲剛さんが月刊誌「すてきな奥さん」でイクメン日本代表として注目されました。

●新語・流行語候補11:家庭内野党
日本代表・遠藤保仁さんは、家庭内でヤットと呼ばれています。

●新語・流行語候補12:ガラパゴス(ガラケー)
日本サッカー・Jリーグが欧州の最前線とはまったく違う独自のサッカーをしていることが「ガラパゴス」として話題になりました。

●新語・流行語候補13:ゲゲゲの〜

日本代表・遠藤保仁さんは「ゲゲゲの〜」のアレに激似です。

↓ちなみに、こんな感じで激似です!


●新語・流行語候補14:白戸次郎もよろしく
「(ワールドカップだけでなく)白戸次郎もよろしく」

●新語・流行語候補15:生物多様性
ワールドカップ日本代表には23人の多様な生物が選ばれました。

●新語・流行語候補16:ダダ漏れ
USTREAMなどを通じて個人が情報を発信する時代となり、ワールドカップ会場からも個人の中継・情報発信などが相次ぎました。

●新語・流行語候補17:ととのいました
本大会直前に戦術がととのいました。

●新語・流行語候補18:どや顔
ボールをキャッチするたびにインパクトフェイスを披露した、日本代表GK・川島の「どや顔」が注目を集めました。

●新語・流行語候補19:なんで一段一段なんだろう
ワールドカップ総合優勝を果たした上村愛子さんですが、五輪ではメダルを逃し涙を流しました。

●新語・流行語候補20:ネトゲ廃人
ネトゲをしながらワールドカップを観戦しました。

●新語・流行語候補21:バイクコンシャスライフ
日本代表きってのオシャレ男・本田圭佑さんが、サッカーの練習場まで電車で15分の道のりをあえて自転車で通い肉体を鍛えたという逸話が話題となり、「自転車+オシャレ+健康」というムーブメントを生み出しました。

●新語・流行語候補22:パウル君
ワールドカップの予想をことごとく的中させたタコ。

●新語・流行語候補23:はやぶさ
日本に希望を与えた事件として、ワールドカップ日本代表とよく並べて語られました。

●新語・流行語候補24:パワースポット
日本サッカー協会のロゴにも使われる三本足のカラス・八咫烏は、日本最強のパワースポットとして知られる熊野三社に祭られる神。日本代表の躍進を陰で支えました。

●新語・流行語候補25:フェニックス
ワールドカップで日本サッカーは不死鳥のように甦りました。

●新語・流行語候補26:ブブゼラ
ワールドカップで観客が吹いていた笛。

●新語・流行語候補27:ホメオパシー
ワールドカップが行われた南アフリカは「エイズもホメオパスで治る」などの主張が強い勢力を保つ、ホメオパス先進国として知られています。

●新語・流行語候補28:もしドラ
大ヒットした小説のタイトル。この小説の作者は、いつの間にか「Number」誌などでサッカー日本代表の強化策について、専門的な立場から見解を述べちゃったりするようになりました。

●新語・流行語候補29:もってる
サムライブルーは何かを持っている男たちでした。

●新語・流行語候補30:モテキ
ワールドカップ後に代表選手にはモテキが到来。特にPKを外した駒野友一には、「SMAP×SMAP」などの人気番組から一生分のオファーが届きました。

●新語・流行語候補31:リア充
ワールドカップ観戦で盛り上がったあと、その昂りのままホテルになだれ込む「リアルが充実した」若者が多数見られました。

●新語・流行語候補32:ルーピー
日本代表監督をつとめた岡ちゃんは、ときの宰相になぞらえられ、無能者として叩かれました。

●新語・流行語候補33:一兵卒
ワールドカップでは代表選手ひとりひとりの犠牲心が勝利につながりました。

●新語・流行語候補34:岡ちゃん、ごめんね
本大会直前まで人格攻撃をされていた岡田武史に、大会後は多くの人が「ごめんね」と謝りました。

●新語・流行語候補35:壊し屋
ワールドカップ直前にアフリカサッカーきっての大物・ドログバ選手を骨折させた日本代表・田中マルクス闘莉王が「壊し屋」の異名をとりました。

●新語・流行語候補36:検察審査会
審査会の多くのメンバーもワールドカップに夢中になりました。

●新語・流行語候補37:見える化(可視化)
走行距離や酸素摂取量など多数の数値を測定し、選手の体調を管理した日本代表の取り組みが高く評価されました。

●新語・流行語候補38:・・・ぜよ!
ワールドカップ本大会直前に、日本代表応援用の巨像が作られた坂本竜馬氏の口グセから。

↓ムダにデカイぜよ!




●新語・流行語候補39:剛腕
本大会直前で戦術を大改造した岡ちゃんの強引な手腕が話題となりました。

●新語・流行語候補40:国技を潰す気か
野球賭博問題により大きな危機を迎えた角界から飛び出した言葉には、「野球と相撲が共倒れしたらサッカーが国技になってしまう」という焦りが滲み出ていました。

●新語・流行語候補41:酷暑
酷暑にもかかわらず、凱旋したサムライブルーを見るため、多くの人々がサッカー観戦に訪れました。

●新語・流行語候補42:最小不幸社会
菅首相が就任会見で明らかにした「最小不幸社会」論については、直後にワールドカップが控えていた影響で、話題性も最小となりました。

●新語・流行語候補43:山ガール
ワールドカップ日本代表がアルプス山中の高地でトレーニングを積んだことが話題となり、この夏は登山に出掛ける人…特に女性登山者が多数見られました。

●新語・流行語候補44:終活
殺人事件が多数発生する南アフリカの治安を心配し、現地に発つ前に遺書などを用意する終活サポーターもいたに違いありません。

●新語・流行語候補45:女子会
ワールドカップを観戦する女子会が全国各地で開かれました。

●新語・流行語候補46:食べるラー油
これをご飯にのせて食べながらのワールドカップ観戦は最高でした。

●新語・流行語候補47:生きもの会議
ワールドカップが行われた南アフリカでは、日々生き物たちが集会を開いています。

●新語・流行語候補48:待機老人
老人ホームではみんなで楽しくワールドカップを見ているという現実が、入園を待つお年寄りの孤独を際立たせました。

●新語・流行語候補49:脱小沢/親小沢/反小沢
ワールドカップ日本代表には「小沢」は入らず、脱小沢の姿勢を鮮明にしました。

●新語・流行語候補50:断捨離
ワールドカップ日本代表も「モノを捨てれば人生が上手くいく」という考えを実践し、中心選手をスパッと切り捨てました。

●新語・流行語候補51:東京スカイツリー
4年後のワールドカップ地上デジタル放送などを見据え、巨大なテレビ電波塔が建設されています。

●新語・流行語候補52:年金パラサイト
世界中を飛び回り必ずゴール裏にいる熱烈サポーターは「いつ働いているのだろう?」とかねがね不思議でしたが、こういうシステムがあるなら可能だなと謎が解けた思いです。

●新語・流行語候補53:買い物難民
ワールドカップ応援をしたいのに「ブブゼラが買えない」「どこに売ってるの?」「近くにブブゼラ屋がない」と困る人々が多数登場しました。

●新語・流行語候補54:ゴルコン
サッカー日本代表がゴールするところを見守りながらコンパを行う男女が多く登場しました。

●新語・流行語候補55:本田△(ほんださんかっけー)

ワールドカップ日本代表・本田圭佑を讃える言葉として広く使用されました。

●新語・流行語候補56:アジェンダ
ダイアゴナルとかリトリートとか、よくわからないけれど何らかの約束事を示す言葉と思われます。

●新語・流行語候補57:33人の奇跡
サッカーが大好きな鉱夫たち33人が地下に閉じ込められ、全員救出されたというチリで起きた事件。

●新語・流行語候補58:(W杯)ベスト16
サッカー日本代表がワールドカップでベスト16に進出したことから。

●新語・流行語候補59:イラ菅/ダメ菅/○○菅
すぐイライラするなど気性に難があることで知られる菅直人氏が、囲み取材や党首討論などは拒否したくせに、サッカー日本代表についてだけは「(パラグアイ戦の敗戦は)残念だったけど、本当によく頑張った」とコメントするなど永田町でも日本代表は人気を博しました。

●新語・流行語候補60:2位じゃダメなんですか
ワールドカップでの目標をベスト4とした岡田武史氏に対し、「その目標設定はおかしい」「もっと身の丈にあった目標を」「どうせ達成できないなら、いっそ2位を目指しちゃダメでしょうか」などと批判が殺到しました。




これだけ候補入りしているのに「サムライブルー」が入らなかったのは謎です!