2002年日韓ワールドカップ(W杯)でイタリアの敗退における決定的な存在となったエクアドル人のバイロン・モレノ主審が、少なくとも6キロのヘロインを下着に隠し持っていたとして、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港で逮捕された。アメリカ麻薬取締局が明かしている。

02年W杯の際にイタリア側から買収されたとの疑惑をもたれたモレノ元主審は、「私は落ち着いているし、イタリア人がまったく未熟だと確信している。賄賂を騒いでいるとしたら、それはおそらく彼らが賄賂に慣れているからだ」と反論。イタリアが敗れたのは自らの責任ではなく、リードを奪ってから守備的に戦ったジョヴァンニ・トラッパトーニ監督(当時)のせいだと主張していた。

だが、W杯終了後にモレノ元主審がマイアミへ旅行し、キトの空港に到着した際にスーツケースが買い物でいっぱいだったことや、借金をすべて返済したと言われたことなどが、彼に対する疑惑を強めた。さらに、母国のリーグ戦でも判定ミスから騒動となり、現在は母国のラジオやテレビでコメンテーターを務めていた。

02年W杯でもゴールマウスを守っていたユヴェントスGKジャンルイジ・ブッフォンは、今回のニュースを受け、「6キロの麻薬? 02年の時点で彼は麻薬に染まっていたはずだよ。下着じゃなく、体の中に持っていたんだけどね」とコメント。「冗談はさておき、スポーツ界の人間が麻薬に関する話に関係していれば、底辺に来てしまったということだ。スポーツの意味も失ったということでもある。路上にいて、麻薬のような危険なことから若者を救い出すことも、スポーツの意味であるはずだ」と話している。