韓国ロケット再打ち上げ失敗…でも性能は北朝鮮より上!

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韓国初の人工衛星搭載ロケット『羅老(ナロ)号/ KSLV-1』が10日、韓国南部・ 全羅南道の羅老宇宙センターで打ち上げられた。その結果はというと…、打ち上げ約2分後に通信が途絶えてロケットが爆発。青い空に打ち上げられたナロ号が、途中で赤く火を吹き、白い点となって消えて行く映像が、韓国のニュース番組で流れた。

昨年の打ち上げから10カ月あまり。韓国中から大きな期待が集まっていただけに、打ち上げ失敗の知らせは韓国民をひどくガッカリさせたようだ。

ネット上には、「今回はナロ号が軌道に乗り、宇宙大国として韓国の名を堂々とあげてくれると思ったのだが…残念…」「失敗か…ロシアじゃなく北朝鮮から技術者を雇ったらどうだ?」「きっと魚雷攻撃を受けたのだろう」「青いインクで書かれた1番という文字が見つかるかも」なんていう自虐的なジョークまで飛び出している。

しかし、このナロ号、韓国のYTNが10日に報じたところによると、北朝鮮製のロケットよりも遥かに優れた性能を持っているのだそうだ。

どういうことかというと、ナロ号は長さ33メートル、直径3メートル、重さ140トンに達する重型の発射体。ロケットの性能を計る推進力は170トンに達するため、140トンの発射体と100キロの衛星を搭載しても“軽々と”宇宙へ飛ばせるのだという。

それに比べ、北朝鮮が昨年4月に打ち上げた人工衛星『光明星2号』を搭載した運搬ロケット『銀河2号』は、推進力が100トンしかない。

韓国の専門家は、「ナロ号が今回の打ち上げに成功していたら、『銀河2号』を大きく上回る性能を持っていることを証明していただろう」と話していて、「2020年に推進力300トン、重さ1.5トンの衛星を搭載できる『KSLV-2』を開発できれば、北朝鮮より遥かに優れた技術を持つことになる」と主張している。

現在、韓国は共同開発を行ったロシアと打ち上げ失敗をめぐり、責任のなすり合いをはじめている。「打ち上げに成功していたら…」「『KSLV-2』を開発できれば…」と未来への希望は膨らむが、まずは技術提供を受けたロシアと十分に連携し、徹底的な原因究明を行ってもらいたいものだ。

参照:ナロ号の性能、北朝鮮より優れている - YTN


(文:林由美)

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