新ブラジル国歌誕生です!

ワールドカップを控え、世界各地で親善試合が行われています。戦術の最終確認や最後の景気づけなど試合でしか出来ないこともあるということで、いつもの国際Aマッチデー以上の試合数と多彩な顔合わせ。日本も4日にコートジボワールと対戦しますが、世界各地で珍しいカードの試合が組まれているのです。

そんな中、優勝候補の一角・ブラジルは2日にジンバブエ代表と対戦。ジンバブエ代表はワールドカップの出場経験もなく、アフリカ予選でも早々に姿を消した国。一見、本番前の景気づけかと思いきや、ブラジル代表は重要な課題を持って試合にのぞんでいたらしいのです。その課題とはズバリ高地対策。ジンバブエの首都・ハラレは標高1500メートルの高地に位置しており、同じアフリカということも含め本番会場とよく似た環境を体験できる場所なのだとか。南米予選のエクアドル・キトで行われる試合など、さすがのブラジル代表も高地での試合は苦戦するケースが多いもの。まして今回はアフリカという見知らぬ環境なのですから、事前にリハーサルしておくのは大事なことかもしれません。

ロビーニョのゴールなどで、試合自体には3-0と快勝したブラジル代表。高地対策もバッチリでさぞやご機嫌かと思えば、彼らはどこか怪訝な表情を浮かべています。「自由すぎるだろ…」「アフリカってどこもこんな感じなのか…」「リハーサルとかしねぇの?」などの言葉が顔にクッキリと浮かび上がり、露骨に首を傾げる場面も。高地という課題はクリア出来たものの、別の課題で頭を悩ませることになったようなのです。

ということで、ブラジル代表を悩ませたアフリカのフリーダムさについて、早速チェックしていきましょう。



◆まぁ、コッチもジンバブエ国歌なんか知らないですけどね!


親善試合の前には両国の国歌を吹奏するのが通例。国歌を聴きながら、国を代表して戦う自覚を再確認し、闘志を燃え上がらせる重要な儀式です。それは世界のスターとて同じこと。特にブラジル国歌などは、「死をも恐れない」とか「強く恐れ知らずの巨人」などの歌詞が綴られた、自由と平等を勝ち取った勇者たちの歌です。試合前に国歌を聴けば勇気100倍なのです。

↓まずはブラジル国歌をご静聴ください!


※このあとの内容を楽しむためにも、10回くらい聞いて覚えておくのがオススメです。


この勇者たちの歌を聴く選手は、胸に手をあて、国を背負う喜びに打ち震えるのです。ブラジル出身のラモス氏もよく「日の丸背負ったら死ぬまで戦える」と言っています。大金や名声を手にしたスーパースターたちでさえも、それは同じこと。それぐらい大切な歌、大切な儀式なのです。

↓胸に手をあて、闘志を高めるブラジル代表!


※このあとの内容を楽しむためにも、この基本形を覚えておくのがオススメです。


お聞きいただいたように、ブラジル国歌はそこそこの長さがあるタイプ。覚えたり、まして演奏しろなどと言われたら、結構大変かもしれません。しかし、これがブラジル国歌なのですから、最大級の敬意をもって迎えなくてはいけないはず。なのですが、「大変だな」「リハーサル面倒くさいな」「ノリで、ノリで押し切ろう!」と自由な演奏を敢行したのが地元ジンバブエの楽団。何とジンバブエ楽団は、イントロから微妙に間違えたブラジル国歌を演奏し、途中からまったく違う曲へとノリノリでアレンジしてしまったのです。

ときおり、一番最初のフレーズ「Ouviram do Ipiranga as margens placidas」らしき節に戻りながら、また別の曲へと変貌していく演奏。苦笑いするルシオ。笑いながら「何じゃコリャ」とカカに話しかけるロビーニョ。場内をキョトン顔で見回すカカ。ヒマなのでユニフォームを直し始めるジュリオ・セザール。ただひたすらに怖いマイコン。一生懸命歌おうとするも曲に合わせられない選手たち。実に3分20秒もの間、誰も知らない新ブラジル国歌がスタジアムに全力で鳴り響いたのです。

↓テキトーすぎるだろジンバブエ楽団wwwwwwww


全然違うのに、全然違うまま最後までやり切ったwwwww

堂々たる演奏で、まるで間違えた感じがしないwwwww


これぐらい変わっていれば、岡本真夜さんからも「パクリですよね?」という声は出なかったであろうアレンジ具合。この自由さ、テキトーさを目撃すると、「会場の警備は万全」「選手・観客の安全をお約束します」「警察がしっかりと目を光らせていますから」というW杯運営事務局の発言も心配になるというもの。何せ、このテキトーブラジル国歌を演奏したのは、ジンバブエ警察の楽団なのですから…。

まぁ、演奏はテキトーでも警備は万全だとアフリカ警察の力を信じましょう!

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