初主演映画「白鳥麗子でございます。」より、約14年。結婚、出産、離婚を経験し、「フラガール」以後、話題作映画の常連としてクレジットされる、松雪の演技と生き方に注目する。
 公開中の「容疑者Xの献身」の中で、美しい薄幸の母親を演じた松雪は、「容疑者〜」の公開からすこし前公開の話題作、「デトロイト・メタルシティ」では、松山ケンイチ演じるフォーク好きのファンシー男、根岸崇一をデスメタル・ロックの神様、クラウザー?世として売り出す音楽事務所の女社長を演じている。オドオドと煮え切らない態度をとる根岸を、ムチで激しくたたき倒し、「あたしは、そんなんじゃ濡れねんだよっ!!」と、にしおかすみこばりのSMボンデージで下品なセリフを連呼する松雪泰子の、あまりのイメージ違いが、見るものの度肝を抜いた。演じているのが彼女と気づかない観客も多かっただろう。

 華やかな容姿で一躍スターとなった頃の20代の松雪は、大きな恋愛と破局を経験した。俳優、保坂尚希と結婚秒読みと言われたが、突然の破局。その後、女優の高岡早紀と結婚し、2児をもうけるも離婚に至った保坂は、自らの生い立ちにより、家庭に対し理想が高く、家を空ける事の多い女優との生活は向かないのかもしれない。

 しばらくして、松雪は、ギタリスト門脇学と結婚し一男をもうけるが約6年で離婚。完全女優復帰し、「フラガール」では、日本アカデミー賞主演女優賞も受賞した。この映画を機にしっかりとした演技に幅が出た。以後立て続けに「デトロイト・メタルシティ」「容疑者Xの献身」に出演が決まる。

一見、か弱くはかなげではあるが芯の強い女性というイメージ通り、破局や離婚について一切語らぬ松雪は、別れた相手を傷つけない。その潔さがカッコイイ。趣味で大型バイクに乗ったりと意外にも活動的だ。その両面が、「デトロイト・メタルシティ」や「容疑者Xの献身」の演技に生きているのであろう。両映画は、所々退屈な作品ではあるが、松雪のシーンはどれも美しく緊張感があり、観客を引き付ける。

離婚以来、仕事と子育てに集中し、恋愛のスキャンダルも聞かれない松雪泰子は、わが道をゆく、数少ない日本のクールビューティー女優。既にメジャー作品を渡り歩く彼女には自信や貫禄さえ備わっている。これからも活躍を期待したい。


「容疑者Xの献身」HP
「デトロイト・メタルシティ」HP

(編集部:空野ひこうき)

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