10月7日の日曜日、大塚家具銀座本店は「在庫一掃セール」(28日まで)の真っ只中だった。目玉の8割引商品の多くは姿を消し、3〜5割引商品が目につく。

「資金繰りが苦しい中、この在庫一掃セールで、少しでも手持ちの決済資金を確保したいのでしょう」(メガバンク幹部)


父・勝久氏とは今も絶縁状態の大塚久美子社長 ©文藝春秋

 創業者で父の大塚勝久氏と娘の大塚久美子社長が“骨肉の争い”を繰り広げてきた大塚家具。だが、2015年12月に100億円超だった現預金額も17年12月には18億円まで激減し、存続の危機に陥っている。

「無借金経営だった大塚家具は取引銀行と距離があったのですが、万が一に備え、50億円のコミットメントライン(融資枠)契約を結んでいました。ところが最近、債務者区分を要注意先から要管理先に格下げされ、この融資枠を使えなくなってしまった。一方で、大塚家具は今夏、メガバンク3行などの株式を売却し、8〜10億円を確保したようです。株式持ち合いは円滑な取引関係の維持が目的でしたが、背に腹は代えられなかったのでしょう」(同前)

 水面下では身売り交渉が佳境を迎えているという。資本提携関係にある貸し会議室大手のティーケーピーが相手先として有力視されてきたが、再浮上しているのが、家電量販大手のヨドバシカメラだ。

なぜヤマダではなくヨドバシだったのか?

「もともと久美子氏がヤマダ電機を再編相手の候補と考えていたのに対し、メインバンク主導で出てきた案が、ヤマダのライバル、ヨドバシでした」(大塚家具関係者)

 8月上旬、ヨドバシ側が「大塚家具の店舗は全て賃貸で買収する魅力がない」と見ているという報道が出たが、

「東京ドーム2個分の売り場面積を誇る有明ショールームは定期借地権付きで、大規模物流拠点として有望です。ただ、非上場のヨドバシが上場企業の大塚家具を買収するには、財務状況を上場企業並みに開示しないといけない。それを避けたいヨドバシが狙うのが、プレパッケージ型の民事再生です。民事再生の申立前にヨドバシをスポンサーと決めることで、迅速に再建を図る。現経営者の続投も可能で、久美子氏の了承も得られやすい」(同前)

 資金繰りに赤信号が灯る“かぐや姫”。Xデーは近い。

(森岡 英樹/週刊文春 2018年10月18日号)