米BuzzFeedは長年バナー広告を避けてきたが、今夏ついに自社が運用するサイトにプログラマティック広告を導入した。米DIGIDAYは、同社のリサーチ部門責任者を務めるエドウィン・ウォン氏に取材し、配信スケールの目標やブランデッドコンテンツなどについて話を聞いた。

――BuzzFeedはかつて何度もリサーチを実施し、バナー広告にはあまり効果がないことを示してきたが、最近バナー広告を採用した。なぜか?



ここ数年間でこの種の広告はかなり改善されてきた。またプログラマティック広告は独立型ではなく、ターゲットに合わせたプロダクトだ。広告主にとっては、消費者により良くリーチできる手段だ。プログラマティックなバナー広告でどれほどの成果を挙げられるかが、最近になってわかってきている。

――実施したリサーチの一部で、ブランデッドコンテンツの定義を試みていた。なぜそこから出発したのか?



広告主とやりとりしているうちに、ブランデッドコンテンツの標準的な定義がないのではないかと感じたからだ。良いブランデッドコンテンツとは何かという問いかけには、まだまだ考えなければならないことがある。

――ブランデッドコンテンツは数々のパブリッシャーの手で、高度に洗練されてきた。競争力を保つために、BuzzFeedが行っている取り組みは?



我々が広告主向けに制作しているものは、我々の編集サイドが読者向けに制作しているものと、核心部分では変わらない。我々は重点を、インプレッションからエクスプレッションへ、そしてアクションへと移してきた。マーケターにとって重要なのはアクションだ。特定のコンテンツをめぐるデータを集められることが、我々の強みになる。

――BuzzFeedは過去のリサーチで、マーケターが誤ったデータを使っており、ストーリーをターゲットに合わせる必要があることを示した。これを踏まえ、どんな配信スケールをめざすのか。



上層部は大部分で創業者ジョナ・ペレッティと動画部門責任者ゼイ・フランクの見解に基づき、「我々は、さまざまな配信チャンネルにまたがるコンテンツを作っていく」という方針を抱いている。BuzzFeedから発信されるものの75%は、実際にほかのチャンネルで発信されている。配信スケールは自然に決まってくる。我々がマーケターにずっと伝えているように、現状の方法でオーディエンスを定義することはやめるべきだ。我々がターゲティングに使うデータは、反響ではなくコンテンツだ。

Max Willens(原文 / 訳:塚本 紺)