鉄道輸出に水を差した?(写真:SWNS/AFLO)

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 日産、神戸製鋼の不正発覚に続き、英国では「技術の日立」のブランドイメージが大きく揺らいでいる。

 10月16日、英国で午前6時に出発予定だった日立製の高速鉄道車両が遅延し、終点に40分遅れで到着。さらに客室天井から水が漏れ出し、客室がズブ濡れになるトラブルが発生した。英国在住ジャーナリストが解説する。

「このニュースは人身事故や脱線事故でもないのに、BBCなど英大手メディアも大きく報じました。その理由は、日立が英運輸省が主導する『都市間高速鉄道計画』という一大プロジェクトを受注して計866両を納入することで注目されていたからです。トラブルを起こした列車はプロジェクト第1号車で、クリス・グレイリング運輸相も乗車していました」

 それだけではない。車両の一部に神戸製鋼のアルミ材が使われていることが判明したのだ。神戸製鋼の性能データ偽装問題は欧米でも大きく報じられていた。それだけに、「トラブルの原因は神鋼だったのか?」という声もあがっていたという。

“神鋼ショック”と重なったことで、日立のトラブルが必要以上に大きく報道されてしまった。このダメージは小さくないと、電機業界に詳しいジャーナリストの片山修氏が語る。

「日立の鉄道事業は独シーメンス、仏アルストム、加ボンバルディアの世界3強に食い込もうとしており、その海外展開の核となる拠点が英国です。万が一、英国の鉄道事業で躓けば、日立の世界戦略そのものが狂ってくる」

 日立はこう回答した。

「神鋼製品を使用していたのは事実だが、その部品は英国の規格基準を満たしており安全性に問題はない」(広報・IR部)

「日の丸鉄道」の伝道者・日立の正念場だ。

※週刊ポスト2017年11月3日号