速報:タチコマがPCを護るウイルス検知ソフトが開発スタート。2017年秋1万人に無償配布予定

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2017年3月23〜26日にかけて開催しているAnimeJapan 2017より。「攻殻機動隊」に描かれているテクノロジーの実現を追求するプロジェクト「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」の発表会で、アニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』に登場する多脚戦車「タチコマ」をキャラクターに起用したウイルス検知ソフト「WarpDrive」の研究開発が発表されました。WarpDriveは、PC、スマートフォン・タブレット、IoT製品などへのサイバー攻撃の脅威に対し、ウイルス検知や攻撃警告を促すアプリケーションソフトです。

今回の研究は、通信分野(ICT)を専門とする公的研究機関である国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)からの委託研究で、KDDI総合研究所やセキュアブレインなどの7社が中心となって進めていくプロジェクトによるもの。

サービス化は2020年の予定ですが、段階ごとに実証実験モニターを募集していくそうで、まずは、2017年度中にPC向けのWeb媒介型攻撃対策用ソフト「タチコマ・セキュリティ・エージェント」として、モニターを2017年秋より募集開始。募集人数は1万人で、ソフトは無償配布されます。

なお、応募条件などの詳細は現時点では明らかになっていません。

タチコマ・セキュリティ・エージェントは、Web媒介型攻撃を検知すると防壁を展開してサイトへのアクセスをブロックしたり、攻撃回避のアシストなどを行いながらユーザーを守ってくれます。

また、それぞれのエージェントが得た知見や情報を並列化(情報集約、横断分析、新機能展開等)することで成長していく、タチコマらしい機能もついているそうです。

現在わかっている情報はこれぐらいですが、WarpDriveの公式ページに随時情報がアップされていくそうです。

電脳空間におけるタチコマをリアライズする


発表会では、NICTの井上室長とKDDI総合研究所の山田明氏が登壇しました。

NICTの井上室長は、「NICTでは、インターネットでのセキュリティ上の脅威となっている無差別型攻撃や、標的型攻撃に対しては警戒や対策を行ってきていたが、Web媒介型攻撃(WEBサイトに見に行くだけでマルウェアに感染してしまうタイプの攻撃)への対策ができていなかった。今回、委託研究という形でWeb媒介型攻撃への新しいプロジェクトを立ち上げました」と、経緯を説明しました。

KDDI総合研究所の山田明氏は、「インターネットが攻殻で描かれているような電脳空間に近づいており、サイバー攻撃、サイバー犯罪が深刻になってきています。ますますセキュリティ対策が重要になってくる中、タチコマのように公安9課のメンバーをサポートでき、一般のユーザーにもフレンドリーなセキュリティーソフトを作りたい」と意気込みを語りました。

AnimeJapan 2017では1/8、1/2タチコマの展示も



AnimeJapan 2017では3月23日から予約がスタートしたばかりの『うごく、しゃべる、並列化する。1/8タチコマ』や、「I.Gストア」などで実証実験を行っていた1/2タチコマも、プロダクション・アイジーブース内で展示されています(それぞれについての詳細は下記記事を参照ください)。

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4月7日には、士郎正宗氏原作の漫画「攻殻機動隊」をスカーレット・ヨハンソン主演で実写化したハリウッド版、『ゴースト・イン・ザ・シェル』の公開も控えていることから、2017年は攻殻機動隊ファンには熱い1年となりそうです。

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