6日、ほぼ同時に打ち上げられた4発の弾道ミサイル。金正恩委員長が満面の笑みをたたえて「同時に発射されたミサイルがまるで航空サーカスの編隊飛行のように同じ姿勢で飛んでいった」と語ったという。


 発射の翌日、安倍総理はトランプ大統領と電話会談を行った。安倍総理は「その脅威は新たな段階になっていることを日米で確認しました」とコメント。

 元自衛隊高官は「同じ時間に同じ所に全部が集中して落ちる。これをされると防御する側としては非常に困難」と話す。日本近海にはミサイルを迎撃するイージス艦が配備されているが、複数同時発射によって、迎撃が困難になるという。発射台は移動式で、ただでさえ発射の兆候をつかみにくい。それに加え、以前は舗装道路にあった発射台が、今回はとうもろこし畑に設置された。これはどこからでも発射できることを意味している。


 またターゲットが在日米軍であることを初めて明言した。7日の労働新聞には「訓練には有事の際、在日米軍基地を攻撃する任務を担う部隊が参加した」との記述がある。日米双方に衝撃を与える極めて危険な軍事挑発だ。そして最終目標である米国本土を直接核攻撃できるミサイルの開発に向けて、着実に進んでいる。先月、日米首脳会談の最中に発射された新型弾道ミサイル「北極星2号」。固体燃料を使って、発射準備時間を5分程度に短縮している。そのため探知して破壊するのが困難だ。


 格段の進化を遂げたミサイルの射程はおよそ3000kmで、米軍のグアム基地も射程圏内だ。さらに金正恩委員長は、年始の所信表明で大陸間弾道ミサイル「ICBM」の試験発射も示唆している。

 先月アラバマ州のラジオ番組に出演したトランプ大統領は、金正恩委員長の挑発に大激怒。「彼は頭がおかしいか、天才のどちらかだ。父親(金正日氏)より不安定で父親の方が相対的にまだマシだった」と語った。


 ミサイル発射を受けて8日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合の後、日米双方から一歩踏み込んだ発言が出た。別所浩郎国連大使は「日本は冷静さを保ち自制してきましたが、もう限界だと感じています」とコメント。米国のヘイリー国連大使は「今回のミサイル発射を受け、アメリカがどう行動すべきか再評価している。あらゆる選択肢が検討されています」と述べた。この“あらゆる選択肢”について、ウォール・ストリート・ジャーナルは2日、「北朝鮮の核兵器の脅威に対応するため、トランプ政権は武力行使や政権転覆などの選択肢を検討している」との記事を出した。


 中国の王毅外相は米朝間の緊張の高まりを受けて「向かい合って加速し続ける2つの列車のように正面衝突する準備でもしているのだろうか。双方が赤信号を灯して同時にブレーキを踏むことが必要だ」と危機感を露わにした。


 秋田県男鹿市は17日に弾道ミサイルを想定した初の住民避難訓練の実施を予定している。訓練では全国瞬時警報システム「Jアラート」でミサイル発射情報を受けた住民や児童らが公民館や小学校などの建物に避難する。訓練結果を検証し、有事対応に役立てるということだ。菅官房長官は8日、衆議院内閣委員会で「発射情報が伝達された場合の対処について、国民の理解を進める必要があり、訓練は極めて重要だ」と指摘し、他の自治体でも実施したいと意欲を示した。


 韓国でもミサイル攻撃に対応するための動きが進んでいる。韓国国防省は7日、米軍の最新迎撃ミサイルシステム「THAAD」の一部装備の韓国への搬入を明らかにした。北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射、次期大統領選の野党系候補が中国の反発を考慮し、配備に慎重な姿勢を示していることから、計画の前倒しを進めている。1、2か月以内に運用を開始する見通しだ。


 軍事アナリストの黒井文太郎氏によると日本は、イージス艦とPAC3でミサイル防衛体制を構築しているという。最初に海上のイージス艦、そして次に陸上のPAC3で飛んできたミサイルを撃ち落とすのだ。詳細は軍事機密にはなっているが、同時に飛んできた複数のミサイルを撃ち落とす能力があるという。


 黒井氏は「演習ではほぼ落とせているが、問題はいくつかある。PAC3は非常に範囲が狭い。元々空軍基地を守るためのもので、点の防衛と言われている。大体、半径20〜30kmくらい」と解説。イージス艦については「射程が1200kmくらいある。日本海に2隻置いておけば、日本列島はカバーできる。複数発をいっぺんに撃たれた場合は難しいだろうと」と課題を指摘した。イージス艦は現在4隻あり、将来的には8隻の体制になるという。さらにTHAADの配備が軍事的には合理的だと指摘。半径200kmくらいをカバーできるという。防衛省の試算によると6部隊の配置で日本全体を守れるという。

 コリア・レポート編集長の辺真一氏は「北朝鮮が在日米軍基地を叩こうとしたのには深い理由がある。第一次朝鮮戦争にどうして北朝鮮が勝てなかったか。当時マッカーサーが日本で国連軍を編成して、日本から上陸していった。これが苦い教訓になっている」と解説。


 元在韓国特命全権大使の武藤正敏氏は「日本の基地が国連軍の後方支援基地になっている。だから(北朝鮮にとって)日本にある基地を叩くことには意味がある」とコメント。


 武藤氏は韓国の次期大統領が支持率トップの文在寅氏になった場合、「対話で止めてくれと言うだけではないですか。止めてくれたら色々支援しますと言うだけではないですか。支援のタダ取りになるだけです」「北朝鮮が対話で核・ミサイル開発を止めるはずがないですよ」と明らかにした。さらに「文在寅さんは北朝鮮との関係をものすごく大事にする人だから何をするか分からないという前提で考えた方が良い。だからこれからの60日が非常に大事」と解説した。


 韓国の大統領選挙、北朝鮮の動向に注目していくことが必要だ。( AbemaTV/みのもんたのよるバズ! より)


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