短いフレーズに、武藤嘉紀の思いが詰まっていた。「もう少しやりたかったですね」聞き手が変わるたびに繰り返されるやり取りで、武藤は45分の出場に終わった悔しさをにじませた。時計の針は5か月前に戻った。11月14日のホンジュラス戦には、遠藤保仁、長谷部誠、内田篤人がハビエル・アギーレ監督指揮下で初めてプレーした。先発の11人のうち10人は、ブラジルW杯のメンバーである。W杯を知らない唯一の選手が武藤だった