29日放送、TBS「バース・デイ」では「43歳Jリーグスター選手は今 戦力外・・・サッカーへの熱き想い」と題し、47歳・三浦知良と共にJリーグ元年から今も現役を続ける東京ヴェルディ・永井秀樹に密着した様子を放送した。

ヴェルディ川崎黄金時代を支えた一人でもある永井だが、Jリーグブームで人気のピークであっても決して浮かれることはなかったという。

番組のカメラに、「常にラモスさんは当時のJリーグの華やかな中で一つ間違えたらどこまででも勘違いしていけるような環境の中で“勘違いすんじゃねぇ、お前ら”ってずっと言ってくれた。そういう人の背中を見てきたので妥協することができない。そこは自分の中のプロフェッショナルの基準」と説明した永井だが、日本代表で活躍する目標は適わなかった。

さらに日韓W杯で盛り上がる2002年、永井は30歳の時に所属先の東京ベルディから戦力外通告を受けた。
「世の中が盛り上がれば盛り上がるほど自分の中は全く盛り上がらない。“日本代表良かったね”って言われれば言われるほど“何が良かったんだよ”っていう自分がいたりする。終わりをすごく考えていた。きっと日韓のW杯のピッチに立てなかったというのがすごくあったんでしょうね、悔しさだったり挫折的な」。

当時の心境をこう振り返った永井は、その後も大分トリニータに入団するも1年で戦力外。それでも現役を諦めなかった理由を「一番いい時期にJリーグでプレーして恵まれたサッカー人生というふうに言われることもあるんですけど、自分の中では本当に悔しさしかないし何の満足感もない。全くもって何の達成感もない」とキッパリ。

今年から低迷する東京ベルディに三度復帰した永井は、若きチームを精神的支柱としてチームを牽引。後輩達にも積極的にアドバイスを送る。

「より若いうちから質の追求っていうのを突きつめてやったほうが絶対いいっていうのは僕が20年間やってきた中での結論でもありますし、自分自身もっとやっておけばよかったっていう後悔もある。そういうのをなるべく若い選手に伝えて自分が世界に行けなかった夢を若い子に託したいというのも多分ちょっとある」。

現役にこだわりながらも次世代に夢を託そうとする永井は、番組の最後に「40歳過ぎて特に言われます。40歳過ぎてサッカーできるわけないじゃんって。でも実際やってるわけで。メンタルさえ折れなかったら絶対やっていける。でもすごいシンプルに考えるとやっぱりサッカー好きなんでしょうね」と笑顔を見せた。