9回二死走者なしからサヨナラゲームへ！　

サヨナラのホームを目指す北山翔也

　2対2と同点で迎えた9回裏。二死走者なしから勝負は動いた。

　このイニングの箕島は、先頭の9番宮下琉成と1番富山海(ともに1年)が倒れて二死となった後、2番北山 翔也(3年)がライトへヒットを放って出塁した。　打席は3番太田真央(3年)。2ボール2ストライクとなり、6球目に一塁走者の北山が盗塁を決める。

　そして直後の7球目。太田が放った打球はセンターへ前へと飛んだ。二死ということで抜群のスタートを切っていた北山が、ヘッドスライディングでホームを陥れ、見事なサヨナラ勝ち。歓喜の輪ができた。

　二死走者なしから、ヒット、盗塁で作った得点圏の場面。尾藤強監督は違った策を出していたことを明かした。　｢実はエンドラン崩れなんです。相手ピッチャー(山部航輝＝2年)の縦の遅いカーブだった。バッターの太田が見送って、ランナーを生かした方が、スコアリングポジションに進めて打てるというのがあったのでしょうね。その辺りの状況判断ができていましたね｣。

　太田の機転が、エンドランを盗塁に変え、自らのサヨナラ打に繋がったのだ。

　尾藤監督は、｢今年のチームはどう見ても投手力に不安がある。だから1イニングに1点取ろうと気持ちを合わせてやってきた｣と話す。　二死からでも簡単に終わらず1点を取ってのサヨナラ勝ち。1イニングに1点を取ろうとこだわった結果と言えるだろう。

（文＝松倉 雄太）