2度目の大物食いを狙う南は好ゲーム展開するも一歩及ばず 

力強い投球を披露した神谷(南)

 先週、桐光学園を1点差ゲームで下した南は、準々決勝で慶應義塾と対戦。2度目の大物食いがなるかと注目が集まった。

 南の先発は、背番号10番の神谷。上から力強く上げ下ろすタイプだ。試合巧者の慶應義塾は、5番名幸 大成が一死からライト前にぽとりと落ちる安打で出塁。6番木村の打球がセカンドを強襲して、一、二塁となった。7番原田 匠は初球を叩き、三塁線を破る二塁打で先制した。続く8番勝が、レフトへのフライを打ち上げ、三走の木村がタッチアップ。あっという間に2点を奪った。5回にも、二死から2番三枝がセンターへの安打で出塁すると、3番柳町 達が、右中間をライナーで抜き、3点目を手にした。

 南も、臆することなく「陸の王者」慶應義塾に正面から挑む。一死で5番山田がセンター前ヒットで出塁し、6番田中はボールをよく見て四球でチャンスを広げた。打席には、7番神谷。慶應義塾の原田は、変化球を四隅に決めてカウントを稼ぎ、ズバッと内角を突いて神谷を空振り三振に打ち取る。続く斎藤も三振に仕留め、南はチャンスを生かせずに終わった。続く6回、一死から2番高橋郁がショートの頭を越す安打で出塁。高橋郁は盗塁を仕掛けるも、バッテリーに見破られ、あえなく憤死。3番寺田が死球で歩いただけに悔やまれる。スタンドにため息が広がった。

 最大の好機は、8回裏に起こった。高橋郁が、前進守備の三塁の横を抜き出塁。続く寺田もセンター前に落して、無死一、二塁。4番源が三振で倒れ、5番山田の打球はサードの正面。フォースプレーで三塁を踏んで二死とするが、なおも一、二塁。しかし、田中のバットは空を切ってチェンジ。南は、後一本が出ずに、慶應義塾に敗れた。 慶應義塾の原田は何度かもピンチも三振で切り抜けたのはさすがのひと言。2戦続けて1点差ゲームをものして、チームは上昇気流に乗った。

(文=高校野球ドットコム編集部)