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岡山大学は、日刊工業新聞社が全国の大学や研究機関などから選ぶ「次代を拓く−工業材料キーワード32」に、同大学大学院自然科学研究科(理学部物理学科)の野原実教授、工藤一貴准教授、大学院生の伊庭恵太氏らの研究「鉄系122型超伝導体において臨界温度45ケルビンを達成」が選ばれたと発表した。

キーワードの選出は、日刊工業新聞社が発行する「工業材料」が隔年で行っているもので、今回は萌芽期の新素材、改良などで実用化が期待されているイノベーション材料など32テーマを選出している。

野原教授らの研究では、レアアース(希土類元素)をほとんど使わず、従来よりコストを抑えて鉄系超伝導物質を製造した。従来の鉄系超伝導物質はサマリウムなどの高価なレアアースを主成分とするが、野原教授らが開発した物質はカルシウムと鉄を主成分とし、レアアースの中でも最も安価なランタンとリンを微量混ぜたものとなる。

また、電気抵抗がゼロとなる超伝導状態へ移行する温度を絶対温度45ケルビン(零下228度)まで引き上げることにも成功したという。

研究成果は、医療用の磁気共鳴画像装置(MRI)やリニアモーターカーを浮上させる超伝導電磁石への応用できるとしている。