今月24日、日本プロ野球選手会会長を務める阪神タイガース・新井貴浩は、日本野球機構との事務折衝を行い、昨シーズンより公式使用ボールとして導入された統一球について見直しを訴えた。

“飛ばないボール”と揶揄されるミズノ製のボール導入により、昨シーズンのホームラン数は、さらに前年となる2010年シーズンから両リーグ合計で666本も減少、今シーズンも「投高打低」といわれる状態が続いている。

だが、翌25日、日本野球機構（NPB）加藤良三コミッショナーは、一部のメディアに対し「大リーグのボールより日本の統一球の方が飛ばないという認識はない」「選手にはプライドを持ってやってほしい」などとコメントするや、ネットの掲示板上では「統一球が間違っていないというプライドは捨てろ」「間違いを認める勇気が足りない」「サッカースコアはもういらんのや！」といったコメントが相次ぎ寄せられ、中には、ストライクゾーンやバット、審判について言及するファンも見られたが、加藤コミッショナーの発言を支持する者はほとんどいなかった。

すると、26日には、テキサス・レンジャースのダルビッシュ有が自身のツイッターで『統一球の問題、選手会から見直して欲しいとNPBにあったみたいだけど自分も見直すべきだと思いますね。日本の野球の中で選手が正当に評価されない。ただ「統一球よりもメジャーの球の方が飛ぶ」みたいな意見は違うと思う。確実に統一球のが飛びます。』と発言し、状況が一変する。

“飛ぶ飛ばない”という点について、奇しくも加藤コミッショナーと同じ見解を示したダルビッシュ。同コミッショナーの発言に批判一辺倒となっていた掲示板上は、別のスレッドが立ち上がり「ダルが言うならダルの言う事が正しいな」「ダルだってキャンプでバッティングしてたしどっちが飛ぶかは分かるでしょ」「体感した選手が言うならそうなんだろう」「バッターの方に聞きたい」「メーカーのデータ的には統一球の方が飛ぶ」など、明らかに論調は変わり、その影響力の大きさを感じさせるものとなった。

これ以降、“飛ぶ飛ばない”の点については、ファンの間で様々な検証方法が意見交換された統一球問題。“（MLB公式球と比べ）確実に飛ぶ”としながらも“見直すべき”とするダルビッシュの新たなツイートでは「2010年までの物に戻せばいいかと」とも述べており、その理由も気になるところだ。