“ゴン”中山雅史監督も無念...プレーオフ進出ならず。それでも齋藤学が力説した沼津の可能性
[J3第37節]福島 2−1 沼津/11月17日/とうほう・みんなのスタジアム
あと一歩が届かなかった。
J2昇格プレーオフ進出へ向けて37節に行なわれた6位の福島と7位の沼津の一戦は、2−1で福島が勝利。沼津は8位に後退し、プレーオフへの道が絶たれる結果となった。
指揮2年目、“ゴン”の愛称で親しまれる中山雅史監督の下で勝点を積み重ねてきた沼津は、敵地の福島戦では先制に成功したが、福島に徐々に流れを掴まれると、78分に逆転弾を許して敗戦を突きつけられた。
「ゴールをより多く決める力がなかった。失点を防ぐ力がなかった。勝つための力がなかったことが原因だと思います。自分たちを鍛えていかなくてはいけないんだなと痛感させられました」
試合後には中山監督も悔しさを表わす言葉を残している。
もっともリーグ最終戦のホームでの松本戦へ改めて熱く魂を燃やすのがこの指揮官の真骨頂なのだろう。
「当然、悔しくて仕方ないです。ただ、それ(昇格)に向かうだけの力が自分たちになかったことをしっかりと認めなくてはいけないですし、あと1試合あるわけですので、その試合に向けてしっかり高めていく。プロとしてどういう戦いをするのか。ホームですし、来てくれた人たちにその時点で最高のプレーを見せていければと思います」
【動画】福島×沼津のハイライト
経験豊富な34歳のFW齋藤学も結果を悔やむ。
「去年僕はチームにいなかったですが、去年からの引き続きですが、後半戦に勝点などなかなか数字を取れない現状が、今年も続いてしまって、プレーオフ進出を逃す形になってしまいました。なので、最終戦だけを見るのではなく、これまでやってきたことを視点を変えて、何がいけなかったのか、やっぱり総括していかなくてはいけないと思います。
ただ選手もスタッフもみんな全力でやっているし、そのなかでの6位以内に入れなかった現状というのを考えるべきなのかなと。来年このメンバーでやれるわけではないので分からない部分もありますが、やっぱり悔しいですね...。力がないチームではないので、今日だってボールを持たれても、チャンスを作ったし、一発取れればというシーンがあったので」
それでも監督の想いは伝わっている。齋藤は試合後のエピソードも明かしてくれた。
「監督に来る前に、(所属8年目の)菅井(拓弥)中心に、選手たちで、『あと1試合ある』『下を向かないであと1試合に臨もう』と声をかけあっていました。そのあとに監督も話をしてくれましたが、ラスト1試合、(4位の)松本はプレーオフ進出を決めるなど良い状況ですが、このまますんなり通させるわけにはいかないので、プライドを持って沼津のサッカーをホームで見せたいです」
齋藤も「ゴンさんは熱さ、厳しさがあり、練習後などにゴンさんひとりでトレーニングしている姿とかを選手たちは見ていたので、その厳しさを感じるなかで、僕らも力を抜かずにやってこられました。改めて熱さを持った監督だと思います」と語る。
一方で個人としては「1年前くらいはどこでサッカーをやっているか、サッカー自体をやっているかも分からない状況だった」と、齋藤は昨年末に仙台を退団した後、シーズン開幕直前に沼津へ加入。切り札のような存在として33試合で2得点の成績を残す。
ただ、そのなかで「プロとしてより1試合を通じてピッチに立てるように」と想いも改めて強まったという。
試合後に齋藤は「当時、僕は助けてもらって、本当にお世話になった」と、川崎時代にコーチとして支えてもらった福島の寺田周平監督との再会も喜び、かつてはロンドンオリンピックへの世代別代表を率いていた福島の関塚隆テクニカルダイレクターとも笑顔で言葉をかわしていたのも印象的だ。
今季はともに悔しい結果となったが、沼津が、齋藤が、この経験を糧にどんな道を歩んでいくのか注目だ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
あと一歩が届かなかった。
J2昇格プレーオフ進出へ向けて37節に行なわれた6位の福島と7位の沼津の一戦は、2−1で福島が勝利。沼津は8位に後退し、プレーオフへの道が絶たれる結果となった。
指揮2年目、“ゴン”の愛称で親しまれる中山雅史監督の下で勝点を積み重ねてきた沼津は、敵地の福島戦では先制に成功したが、福島に徐々に流れを掴まれると、78分に逆転弾を許して敗戦を突きつけられた。
試合後には中山監督も悔しさを表わす言葉を残している。
もっともリーグ最終戦のホームでの松本戦へ改めて熱く魂を燃やすのがこの指揮官の真骨頂なのだろう。
「当然、悔しくて仕方ないです。ただ、それ(昇格)に向かうだけの力が自分たちになかったことをしっかりと認めなくてはいけないですし、あと1試合あるわけですので、その試合に向けてしっかり高めていく。プロとしてどういう戦いをするのか。ホームですし、来てくれた人たちにその時点で最高のプレーを見せていければと思います」
【動画】福島×沼津のハイライト
経験豊富な34歳のFW齋藤学も結果を悔やむ。
「去年僕はチームにいなかったですが、去年からの引き続きですが、後半戦に勝点などなかなか数字を取れない現状が、今年も続いてしまって、プレーオフ進出を逃す形になってしまいました。なので、最終戦だけを見るのではなく、これまでやってきたことを視点を変えて、何がいけなかったのか、やっぱり総括していかなくてはいけないと思います。
ただ選手もスタッフもみんな全力でやっているし、そのなかでの6位以内に入れなかった現状というのを考えるべきなのかなと。来年このメンバーでやれるわけではないので分からない部分もありますが、やっぱり悔しいですね...。力がないチームではないので、今日だってボールを持たれても、チャンスを作ったし、一発取れればというシーンがあったので」
それでも監督の想いは伝わっている。齋藤は試合後のエピソードも明かしてくれた。
「監督に来る前に、(所属8年目の)菅井(拓弥)中心に、選手たちで、『あと1試合ある』『下を向かないであと1試合に臨もう』と声をかけあっていました。そのあとに監督も話をしてくれましたが、ラスト1試合、(4位の)松本はプレーオフ進出を決めるなど良い状況ですが、このまますんなり通させるわけにはいかないので、プライドを持って沼津のサッカーをホームで見せたいです」
齋藤も「ゴンさんは熱さ、厳しさがあり、練習後などにゴンさんひとりでトレーニングしている姿とかを選手たちは見ていたので、その厳しさを感じるなかで、僕らも力を抜かずにやってこられました。改めて熱さを持った監督だと思います」と語る。
一方で個人としては「1年前くらいはどこでサッカーをやっているか、サッカー自体をやっているかも分からない状況だった」と、齋藤は昨年末に仙台を退団した後、シーズン開幕直前に沼津へ加入。切り札のような存在として33試合で2得点の成績を残す。
ただ、そのなかで「プロとしてより1試合を通じてピッチに立てるように」と想いも改めて強まったという。
試合後に齋藤は「当時、僕は助けてもらって、本当にお世話になった」と、川崎時代にコーチとして支えてもらった福島の寺田周平監督との再会も喜び、かつてはロンドンオリンピックへの世代別代表を率いていた福島の関塚隆テクニカルダイレクターとも笑顔で言葉をかわしていたのも印象的だ。
今季はともに悔しい結果となったが、沼津が、齋藤が、この経験を糧にどんな道を歩んでいくのか注目だ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)