太平洋で四つの台風が同時発生、連日フィリピンを直撃
(CNN)西太平洋で四つの台風が同時に発生している。海洋の温暖化に伴う異例の現象で、台風の直撃が連続するフィリピンでさらに被害が拡大する恐れがある。
気象庁によると、11月に名前の付いた台風が四つ同時に存在するのは、記録が残る1951年以来で初めて。11月以外の月も含めると7年ぶりだった。
米合同台風警報センターの衛星画像は、ベトナムからグアムにかけての西太平洋海盆で渦巻く台風22号(インシン)、23号(トラジー)、25号(ウサギ)、24号(マンニィ)の四つの台風をとらえている。
フィリピンはこの1カ月で相次いで台風に直撃され、復興が進まないまま数千人が避難所暮らしを続けている。
台風22号は7日、カテゴリー4のハリケーン並みの暴風を伴ってフィリピン北東部に上陸した。死傷者は報告されていないものの、豪雨や高潮、土砂崩れが発生している。
フィリピンを通過した台風22号は南シナ海に入って中国海南省へ向かい、南下してベトナムに大雨を降らせている。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は10日、台風22号で被災したルソン島のカガヤン州とイロコスノルテ州の集落を視察した。
翌日には台風23号がルソン島のアウロラ州東部に上陸し、さらに数千人が避難した。
フィリピンはさらに、5日間で3度目となる台風の直撃に備えている。
台風25号は現地時間の12日に熱帯低気圧から台風に変わってフィリピンに接近。続いてグアム東部を西へ進む台風24号が、来週初めにもフィリピン北東部に到達する可能性があり、大雨や暴風、高潮が予想されている。