CSファイナル進出を決め、喜ぶ新庄監督

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 「CSパ・ファーストS・第3戦、日本ハム5−2ロッテ」(14日、エスコンフィールド)

 日本ハムが逆転勝ち。ソフトバンクが待つCSファイナルシリーズ進出を決めた。

 新庄采配がズバズバ的中した。最多勝の伊藤をソフトバンク戦に回し、北山を先発起用。五回2死まで2失点と力投すると、シーズンで守護神も任せた田中正を投入。2度のイニングまたぎをさせる仰天采配で、流れを引き寄せた。

 同点の七回に水野が2点三塁打。八回には清宮の二盗から好機を広げ、万波の適時打で加点。九回は数々の修羅場をくぐり抜けてきた宮西を投入し、逃げ切った。

 勝利を収めると、新庄監督はバンザイ。重圧から解放された清宮、北山らは男泣きした。

 試合後、新庄監督はまず、本拠地の大応援に感謝。「昨日の試合後、知り合いから『この場所にいたら耳の状態が危険な状態になる』と。それほど凄かった。北海道のファンの皆はおとなしい印象が強かったが、北海道民の殻を破らせたというか、選手たちがそうさせた、それは間違いない。すごく嬉しかった」とうなずいた。ロッテファンのブーイングをかき消す、大きな拍手にも「一緒に戦ってますねえ」と喜んだ。

 田中正ら、大胆な継投策にも言及。「こういう試合の継投、采配、誰をも喜ばせる、感動させるのも監督の仕事。あの場面で田中君が期待に応えてくれて、もう一回いくぞ、もう一回いくぞとアイコンタクトして。期待に応えてくれた」とうなずいた。

 田中正から河野、池田、最後は宮西。抑えを宮西に託したことについては「八回に考えてました。こういう舞台を経験している宮西君。スタンドの盛り上がり、そこで宮西君がクワーッと高まって。ドラマ的に。あの場面は誰でも緊張するので。今日の継投で失敗したら新庄アンチはお祭り騒ぎでしょう」と笑い飛ばした。

 エース温存策の経緯も明かした。伊藤を投げさせなかったことに「勇気いりましたけどね。クライマックス始まる前に伊藤君を監督室に呼んで、初戦なのか。俺は日本シリーズにいくことしか考えてない。終わる可能性もある。指さしてくれ、1秒もたつ前にここいきます、とソフトバンクの一戦目。『ありがとう、一致した』と」と、ふたりで決めたことを明かした。

 ソフトバンクのアドバンテージ1勝から始まるファイナルSへ。「あとは伊藤君がイーブンに持っていくだけのこと。それは伊藤君も分かっている。ただ、そういう舞台を経験したことがないのでどうなるか分からない」と、重圧もやわらげた。

 3年目で選手が成長を遂げ、注目度は高まる。シナリオ通りかと問われ、「脚本的にはあと22ページあるので」とニヤリと笑った。