湘南美容クリニック(SBC)、高須クリニック、品川美容外科……多くのクリニックがしのぎを削る美容外科業界において、現在業界第2位となっている東京中央美容外科(TCB)。同院がスタッフに対してSNSでの「サクラコメント」の指示をしていたことが「週刊文春」の取材で分かった。

【画像】「コメント残して」「全員必ずやること」サクラコメントを指示するLINE


TCBのCM、2023年9月には業界最速で100院を達成(TCBのYouTubeチャンネルより)

 TCBは2014年12月に青木剛志氏が創業し、2023年9月には業界最速で100院を達成した急成長クリニックだ。24年2月期の売上高は680億円を突破し、SBCに次ぐ業界第2位に。今季パ・リーグを制覇した福岡ソフトバンクホークスのオフィシャルスポンサーにもなっている。「週刊文春 電子版」はこれまで「新入社員の一斉クビ切り」や「高額契約商法」などを計4回にわたって報じてきた。

「コメント残してください」「全員必ずやること!」

 そして今回、発覚したのが関東のクリニック院長の投稿に対し、スタッフへ「いいね」や「コメント」を求めるサクラの指示が行われていた事実だ。

 現役看護師が証言する。

「TikTokの症例動画に、スタッフがいいねとコメントを残す、『サクラ行為』が求められていました。院長先生から動画がLINEで送られてきて、看護師のリーダーからは院長の投稿に『絵文字でもいいのでコメント残してください。これ全員必ずやること!』『毎日いいねの数見てます。やってないとバレます』など恐怖感を与えるメッセージで具体的な“動員”の指示がありました」

関係者から入手した、“指示LINE”に書かれていたのは…

「週刊文春」は指示をしたLINEを関係者から入手。実際のTikTokの投稿を見てみると、看護師のリーダーのLINEアイコンと同じ写真のTikTokアカウントが拍手などの絵文字を送っている。そのアカウントではTCBの関係者であることが示されないまま、一見すると多くの反応が寄せられ、一般のユーザーが絶賛しているように見えるリプライ欄が作られているのだ。

 TCBに事実関係を求める質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。

 急成長のクリニックに一体、何が起きているのか。

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、LINEによる「サクラコメント」指示の文面、背景にある驚愕の「社員に恐怖を与えるマネジメント」マニュアルの存在、監視カメラによる戦慄の「違反モニタリング」などを詳しく報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)