種牡馬としても活躍したスペシャルウィーク(写真は99年ジャパンC・撮影:下野雄規)

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【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【スペシャルウィーク】

 日本ダービー、ジャパンC、春秋の天皇賞を制覇した名馬。サンデーサイレンス産駒のクラシックホースのなかでは唯一、牝系祖先が戦前に輸入された馬にさかのぼります。生後すぐ母が死んでしまい、人の手を掛けて育てられたため、人を信頼する性格となりました。

 日本ダービーとジャパンCを勝ったときの馬体重が468kgと、馬体のサイズは中型でしたが、馬格のある産駒が目に付き、とくに牡はその傾向が顕著でした。

 距離は万能で、芝・ダート兼用。シーザリオ、ブエナビスタなど牝馬の超大物を出し、前者はエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアを産んで母としても成功しました。ディアドラ、ジュンライトボルトなど、スペシャルウィークを母の父に持つ活躍馬は多く、母方にスペシャルウィークを抱えた一流馬は今後もコンスタントに出てくるはずです。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「今年のヨーロッパ競馬はフランケル産駒の影が薄いような気が?」

 おっしゃる通り、なぜか今年はフランケル産駒が微妙です。現時点の種牡馬ランキングは、イギリス7位、アイルランド11位、フランス12位。各国のクラシックをはじめG1レースでほとんど存在感を示していません。

 ただ、ひとつ下の2歳世代は、ベッドタイムストーリー、レイクヴィクトリアなど、来年が楽しみな逸材が出てきています。日本でも6月30日の福島新馬戦(芝1800m)を勝ち上がったデルアヴァーは期待できる存在だと思います。