洗濯物をカラッと干したいために2階にバルコニーを設け、その隣の部屋に大きなクローゼットがある家を建てたものの…。住み始めると誤算の連続。生活動線が悪くて、衣類がまったく片づかない! そんな体験をしているライターが、後悔していることを語ります。「洗濯する」「干す」「しまう」の3つの場所をどこにするかで、家事の負担が大きく変わる!

わが家は1階に水回り、2階に物干しスペースがある間取り

筆者は夫とふたり暮らし。4年ほど前に地元工務店で、延床面積35坪の2階建ての注文住宅を建てました。

上は1階の間取り図です。LDKと小上がりの和室、そして、洗面脱衣所と浴室もこのフロアにつくりました。ちなみに洗濯機は、こちらの洗面脱衣所にあります。

そしてこちらが、2階の間取りです。

2階には、洗濯物を干すためのインナーバルコニー(青枠の部分)と、隣の部屋に大きなオープンクローゼット(赤枠の部分)があります。

この間取りにした理由は、わが家が外干し派だからです。風通しがよく、日がよく当たる場所で、洗濯物を干したいと思い、2階にインナーバルコニーをつくりました。

インナーバルコニーに干し、隣のクローゼットに収納

上は洗濯物を干しているときの、インナーバルコニーの写真です。通常、南側につくることが多いバルコニーですが、わが家は西側につくりました。理由は以下の2つです。

・この場所だと、外から見えづらい(その割に風通しもいい)
・筆者が夜型で、洗濯物を干すのは午後の時間。その時間帯は日当たりがいい

ちなみにですが1階の日あたりのいい場所は、周囲から丸見え。そんなわけで、筆者には2階のこの場所以外に、干す場所をつくる選択肢はありませんでした。

加えて、洗濯物を干してそのまま片づけられるよう、2階バルコニー横の部屋(写真)に、大きなオープンクローゼットをつくってあります。

これで「干す→しまう」の動線もコンパクトになり、かなりいいプランになったと思っていました。しかし、住んでみたら大きな誤算が3つあったのです。

誤算の始まりは夫の「タンスを捨てたくない!」

当初の計画では、オープンクローゼットに筆者と夫の衣類を、すべて収納する予定でした。しかし、夫の衣類は隣の部屋に置くことになったのです。

なぜかというと、夫が以前のアパートで使っていた衣類タンスに、愛着があるのか「捨てるのがもったいないから使いたい」と言い出したから。

このタンスを現在のクローゼットに置こうとしても、サイズが合いません。ですから、捨てたかったのですが、「捨てるくらいならほかの部屋で使う!」という話に。筆者と夫の衣類の収納は、別々の場所になってしまったのです。

結果、衣類を収納する場所が、以下の3か所に分かれてしまいました。

・筆者の衣類(オープンクローゼットのある部屋)
・夫の衣類(隣の洋室)
・タオルやインナー類(1階の脱衣所)

もともと衣類の片づけが苦手な筆者が、3か所に片づけることに。まったくやる気が起こらず、洗濯物を取り込んでもしまわずに、ずっと置きっぱなしの状態になっています。

雨の日の洗濯でも大きな誤算が!

晴れた日は外干しで、雨の日はドラム式洗濯乾燥機で乾燥すればいい、と思っていたのですが、ここにも誤算が。すべての衣類を乾燥機で回せるわけではないのです。

タオルやインナー類や乾燥機で回せます。しかし、お気に入りの衣類は、傷むことがあるので乾燥できません。

そうなると、乾燥機で回せない衣類は室内干しに。しかしわが家には、ランドリールームも浴室乾燥もありません。場所がないので、2階のオープンクローゼットのある部屋で、室内干しをしています。

乾燥機で乾く衣類、室内干しで乾く衣類、両方を片づけるのがとても面倒。2階の室内干しは、干しっぱなしで放置になってしまいます。

1階に衣類収納がないとリビングに服が置きっぱなしに

わが家の1階には、衣類収納がありません。洗面脱衣所にタオル類やインナー類の収納、リビングとシューズクロークに、ハンガーラックがある程度です。

このリビングのハンガーラック(写真)も悩みのタネ。ひどいときはハンガーラック下のカゴが、夫の服で満タンになります。夫はリビングで服を着替えるので、普段よく着る室内着が、リビングにたまっていくのです。

また、筆者もアウター類はリビングに、脱いだままになってしまうので、ハンガーラックではたりなくなり、気づけばソファやイスなどに服をかけていることも。

もし、今から間取りをやり直せるなら…

外干し派の筆者にとって、2階の西側につくったインナーバルコニーには、後悔はありません。しかし、もし、今からなり直せるなら…、と思うことが2つあります。

●クローゼットは1階にあればよかった

まず1つ目。今のリビングの散らかり具合を見るにつけ、クローゼットは1階につくった方が便利だったと後悔しています。

●洗濯機の近くに室内干しスペースをつくるべきだった

2つ目は、いくら洗濯機に乾燥機能がついているといっても、洗濯機の近くに、室内干しスペースをつくっておくべきだったということ。せめて浴室乾燥は欲しかったです。

この2つを実現できていれば、リビングはもう少しすっきりしていたはず。また、雨の日に室内干しするために、階段の上り下りをする必要はありません。室内干しで干しっぱなしなどということも、防げていたと思います。

「洗濯する→干す→しまう」の動線は、じっくり考えたつもりでした。それなのに…、詰めが甘かったと後悔することしきりです。