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 6月10日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。ホアヒン編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

参考:【写真】ひなのがれんに伝えた告白の結果は……?「れんくんのことをもっと知れたら」

 以下より、7月8日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・『ホアヒン編』成立カップル数は? 思い出された『秋桜編』『花梨編』の悲劇

 最終話終盤、スタジオの“恋愛見届け人”たちが落胆し、揃ってうなだれた。“今日好きのパパ”こと井上裕介(NON STYLE)に至っては、放送局のアイコンである“アベマ水”をぞんざいに放り投げた。もし我々があの場にいたら、もっと勢いよく放り投げていたかもしれない。なんで、どうして……『今日好き』よ、一体どうしたんだ?

 『ホアヒン編』最終結果は、メンバーや番組公式SNSにてすでに明かされている通り。なんと2シーズン連続で、カップル成立ならずである。これは、2021年秋の『秋桜編』『花梨編』から、約3年ぶりに訪れた悲劇(逆にこの3年間、安泰な旅が続いていたとも言い換えられるが)。本稿のメインテーマに触れる前に駆け足にはなるが、まずは今週のハイライトを振り返っていこう。

 のの(徳永暖乃)、みあ(藤田みあ)から告白されたそうま(阿部創馬)だが、最後に選んだ言葉は「ふたりとも、ごめんなさい」だった。特にみあについては、付き合うに至れなかった理由として、2ショットを通してお互いに素で接することができず、たとえ結ばれたとしても、長続きをする感覚を抱けなかったとのこと。

 たしかに、告白直前の“最後のアピールタイム”でも、彼女から好意を伝えられた際、最終日とは思えぬ「意外だった」という驚きが飛び出したり、そうまの方から自身の想いをアピールする場面が一切なかったり。そうまが見せていた表情からも、カップル成立の線は薄いことが読み取れていたわけだが、いざ“そのとき”を迎えると悲しい気持ちにさせられる。

 しょう(角田翔)×りあ(米澤りあ)は、告白前こそカップル成立の可能性を感じられるほど、ふたりの間の空気は朗らか。特に、告白される側のしょうが白い歯を覗かせていた点で、結果にはかなり期待していたのだが……。実際、本人曰く「一緒にふたりで過ごしていって、楽しんでいるふたりの姿を想像できます」と、カップル成立の“その先”は見えていたという。それでは、なぜ?

 理由は、しょうが誠実だったから。あんなに“コミュ力”爆発でふざける場面こそ多かったものの、キャラクターに似合わず(というと申し訳ないが)とても誠実で、好きになった相手にまっすぐだった。みづき(北爪美月)との間で揺れ動き、りあと向き合っていなかった時間があったことが、心に引っかかったのだろう。となると期待されるは、次の旅での再会と、二度目の正直でのカップル成立。ふたりが別れ際に「ありがとう」でこの旅を締めくくり、フった・フラれた関係とは思えぬ清々しさを感じさせてくれていただけに、次の可能性を現実のものにしてほしい。

 最後に、れん(藤井恋)×ひなの(瀬川陽菜乃)はおおかたの予想通り、幸せな形で結ばれず。ひなのが伝えた「これからもたくさん、おいしいごはん屋さんに行って、れんくんのことをもっと知れたら」という言葉は、彼女らしさ溢れるなんともかわいらしいものだった。だが、れんの視点では「友だちでいた方がいい」が最後の答えに。唯一の救いは、初日の夕方、ビーチで一緒にすすったカップ麺が「人生でいちばんおいしかった」と、太鼓判を押してくれたことくらいだろうか。

・『夏休み編2024』は間違いなく名作に? “井上塾”開講で恋愛見届け人が直接指導!

 前置きが長くなったが、今回の本題はここから。筆者は前々回の『プサン編』で、ゆう(早坂ゆう)がてる(川端輝)のワガママに振り回された関係性について、かつての『花梨編』でのいさ(北本要世)×ゆな(みとゆな/当時の名義は水戸由菜)と似ているかもしれないと言及した。『プサン編』では特別な理由なく、単純に“思い出した”だけだったのだが、今回の2シーズン連続でカップル不成立という結果を受けて、約3年前と重なる印象がますます色濃くなってしまった。

 今回でいえば、そうまが前回の『ホアヒン編』で周囲の女子を惚れさせまくる“無双状態”だったにも関わらず、ねね(古園井寧々)を隣にした瞬間、耳まで真っ赤にしてピュアに茹で上がっていたときのこと。あれがまったく見られず、終始クールなままだった。また、じゅま(坂本ジェルー寿真)は今回の旅で唯一、誰からも告白されないままだったが、運命の恋人を見つけられなかった悔しさこそあれど、それ以上に強い感触として「いまわかりました」「ゆうちゃんへの気持ちがまだ……」「会いたいです」と、『ホアヒン編』で出会った彼女こそが、真に運命の相手だと気づく場面も。

 そうまこそ可能性の段階にはなるが、ねねとの時間を引きずっているとしたら、かつて『朝顔編』で後に恋人となる女子を慕い、一度は告白するも失恋を経験し、次に参加した『花梨編』で再会を願うも叶わず、続く『蜜柑編』でようやく結ばれたーーまやと(中里真哉斗)の姿と重なって見えてくる。また、前提ストーリーこそ割愛するのだが、次の旅への希望を感じさせた点で、りあは『花梨編』でのゆなのポジションにあたるだろうか(りあ≒ゆなとする場合、最終的に別の男子が彼氏にはなってしまうのだが)。今回の旅にこそ参加していないが、ゆうの立ち位置もまやとと結ばれた女子のそれに思えてくる。

 現状を整理すると、新たな旅に参加したものの、自身の人気ぶりや過去の恋愛に翻弄されてしまい、旅を継続すればするほど、思うように結果が振るわなくなるーーいわゆる“継続スパイラル”に陥っているメンバーがちらほら。本当に『秋桜編』『花梨編』当時の空気と同じ匂いがする。ただ、そんな沈み込みを恋愛の大きなバネにするかのように、当時の次シーズン『蜜柑編』では3組ものビッグカップルが成立し、なかでもれん(岡田蓮)×ゆなの“れんゆな”カップルは交際開始から2年の時間を共にしている。つまり『今日好き』屈指の“神回”が誕生したのだ。となると、今回も?

 幸運なことに、次回は毎年恒例の『夏休み編』。例年通り、3泊4日の拡大バージョンで、しかも旅の舞台はアジアを離れ、南半球はオーストラリアに。現状のスパイラルを断ち切る、最高のロケーション。しかも、次週は“課外授業スペシャル”として“井上塾”の開講も。この企画に集められたのは、じゅま、そうまをはじめとする、過去の旅で結果が振るわなかった男子8名。井上とともに恋愛見届け人を務めるかすを相手に、2ショットのデモンストレーションをしたり、気合いを入れるべく滝行をしたり……。

 すでに、今回の旅からせな、じゅま、りあ、みあ、『卒業編2024 in セブ島』からりゅうじん(那須川龍心)、『ニャチャン編』からけんたろう(中村健太朗)の参加することが明かされているほか、男子メンバーは全員が継続組だという。また、男女どちらかは明かされていないが、継続メンバーがそのほかに2名参加するとのことだ。

 ほぼほぼ役者は揃った。まずは次週、井上の教えを受けて、一視聴者としても心を磨いておきたい。

(文=一条皓太)