【マーメイドS】他に類を見ない荒れる一戦 もしかしてを思わせる勝利もあるか/長岡一也
【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆ゴールドエクリプスには合う流れか
秋のGIを視界に入れるためにも、ここで思い切ったレースをしておきたいマーメイドS。牝馬限定のハンデ重賞らしく、2006年にいまの条件になってからの荒れ方は、他に類を見ないほどだ。この10年を見ても、1番人気は、10年前と昨年の2勝だけ、あとは10番人気が3回、7番人気2回勝ち、他は8番人気、6番人気、3番人気がそれぞれ1回ずつ勝っているという状況だ。
トップハンデで馬券にからんだのは、2着2回、3着1回の3頭だけ。ハンデを味方にという考え方をしたくなるレースでもある。まして昨年がビッグリボン、ウインマイティーの、1番人気と3番人気の決着だったので、とても2年続けて平穏にとは思えない。やはり、波乱を前提に思いをぶつけるのが一番だ。
今年は2006年以来の京都での開催だけに、そこはひとつのチェックポイントになる。そこで目が行ったのがゴールドエクリプスだ。近2走はレースが合わず大敗したが、昨年の4着馬だし、無視はできない。
京都内回りの2000米だから、前半1000米が後半1000米より若干速くなり、ラスト3ハロンの上がりがかかるというタフな流れが考えられるので、ドゥラメンテ産駒のゴールドエクリプスには合う流れになるだろう。
デビュー3戦目にフローラSを勝っているエリカヴィータは、オークス9着、秋華賞13着などずっと苦難の連続だったが、前走の福島牝馬Sで0秒4差の5着と少し光が見えてきた。我の強いところがあって思い通りのレースが出来ていなかったが、前走は中団のインで脚をためることが出来て、最後までジリジリと脚を伸ばしていた。
精神面の成長がうかがえて、どうやら復活の兆しを見ることが出来たと考えたい。
この5歳馬2頭に加えたいのが、ステップ別で最も目立っている前走3勝クラスからの参戦馬だ。
この中でバテない決め手が武器の5歳馬エーデルブルーメに注目した。前走が阪神の2000米で牡馬相手に最速の上がりタイムで勝ってきたが、勝ちタイムも優秀だし、全4勝が2000米と言うのも目を引く。
昨年の夏以降、牡馬相手の2000米を走り続けて好走しており、昇級して初めての重賞が牝馬同志のGIIIクラスなら。
これから良くなっていける馬だ。
こういう重賞だから、さらに思い切った考え方をしてみたい。人馬ともに重賞初勝利をと力んでみたいのが、ホールネスと西塚洸二騎手だ。まだ4戦3勝のキャリアで、鞍上が3年目の若手。2勝クラスを勝ったばかりで格上挑戦になるが、デビュー3戦は後方からの競馬だったのが、4戦目の前走は4、5番手で折り合って差し切るという走りが出来ていた。
トモがしっかりしてきて踏ん張りがきくようになりスタートの出が良くなっている。52キロで、全ての手綱を取っている西塚騎手は、昨年のこのレースは4着にきていた。
「もしかして そう思わせる この勝利」