VRヘッドセット「Oculus Rift」の設計者であるパルマー・ラッキー氏が、ゲームボーイカラーのサイズやディスプレイ解像度を維持しつつ「昼間の屋外でも視認できるディスプレイ」「アルミ合金の外装」を備えた究極のゲームボーイ「ModRetro Chromatic」を開発したことを発表しました。

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The $199 Chromatic might be the ultimate Nintendo Game Boy - The Verge

https://www.theverge.com/2024/6/3/24170572/modretro-chromatic-game-boy-color-palmer-luckey-price-release-date

ラッキー氏は2009年に、16歳という若さで独自設計のVRヘッドセットを作り始めました。しかしラッキー氏によると、最初に立ち上げたビジネスはOculus VRではなく、最新のテクノロジーを古いゲームコンソールと組み合わせたハードウェアに関するプロジェクト「ModRetro」だったそうです。また、さらに前からラッキー氏は「ゲームボーイの改造」に取り組んでおり、「私はゲームボーイにLEDバックライトを取り付けた最初の人物であり、ゲームボーイアドバンスの内部をゲームボーイに移植したのも私が初めてです。これらの改造様式は、後にレトロゲーム改造業界で人気を博しました」とラッキー氏は語っています。

長年の構想を経て、ラッキー氏は2024年6月2日に「ModRetro Chromatic」を発表しました。ModRetro Chromaticはゲームボーイの外観や解像度、ボタンを再現しつつ、太陽光下でも視認可能な完全カスタム液晶ディスプレイやアルミニウム合金のボディーで頑丈に長持ちするなどの点で向上しており、「ModRetro Chromaticはゲームボーイの美しいフォルム、優れた技術、文化的影響に対する究極のトリビュートです」とラッキー氏は表現しています。



ゲームボーイの初代機は4階調(モノクロ)のディスプレイで、2年後にはカラー化を果たした「ゲームボーイカラー」が登場しました。ModRetro Chromaticはゲームボーイカラーを忠実に再現した色にしているそうです。以下は、ラッキー氏が海外メディアのThe Vergeに送った写真で、ModRetro Chromatic(左)と、2021年に発売されたゲームボーイ再現ハードである「Analogue Pocket」(右)を比較しています。ラッキー氏は「この画像のラプラスが、Analogue Pocketでは派手な黄色になっていることに注目してください。Analogue Pocketは画面が大きく色鮮やかですが、ゲームボーイカラーの色温度を再現していないカスタムディスプレイです。一方でModRetro Chromaticは、太陽光の下でも遊べる明るさを加えつつも、色温度を再現したより『本物』に近いディスプレイです」と述べています。



ModRetro ChromaticにはFPGAが内蔵されており、本物のゲームボーイやゲームボーイカラーのカートリッジを実際のゲームボーイと同じようにプレイすることができます。また、1989年の初期版ゲームボーイでは「テトリス」の人気がゲームボーイの爆発的な普及に貢献しましたが、ModRetro Chromaticには独自開発のテトリスがセットで付いてくるそうです。



そのほか、オリジナルのゲームソフト「Chromaticカートリッジ」も発表されました。ラッキー氏は「クラシックなゲームボーイタイトルの完全物理的な再リリースとリマスター、素晴らしいインディーデベロッパーによるまったく新しい作品、リリース前にキャンセルされたゲームボーイソフトの初リリース、さらには一般の人々が知る前にキャンセルされたタイトルもいくつか計画しています」と語っています。



ModRetro Chromaticの価格は3万1700円。カラーは「Inferno(オレンジ)」「Leaf(緑)」「Bubblegum(ピンク)」「Volt(黄)」「Wave(水色)」「Midnight(黒)」の5色あるほか、ボタンが「A」「B」「SERECT」「START」と記載された「ENGLISH」バージョンと、「エー」「ビー」「セレクト」「スタート」と書かれた「JAPANESE」バージョンを選択可能。



ModRetro Chromaticは記事作成時点では予約注文を受付中で、2024年のクリスマスシーズンに発送予定とのこと。ラッキー氏は「予約注文に応えるために必要な分だけ製造するつもりです」と話しているため、確実にゲットするためには発売を待たずに予約することをオススメします。

なお、ラッキー氏はModRetro Chromaticについて、「私はこれを金儲けの手段とは考えていません。ゲームボーイに対する世界最高のトリビュートを作る手段だと考えています。これは私が長い間誇りに思えるものになるでしょう」と思いを述べています。