アメリカのカリフォルニア州シーサイドで、当局が住民に「ボートをフェンスで隠せ」と指示した結果、「リアルなボートの絵を描いたフェンス」が設置される珍事が発生しました。

Seaside California resident commissions mural to spite local officials

https://www.usatoday.com/story/news/nation/2024/05/14/seaside-california-man-paints-boat-mural-driveway-fence/73683545007/



カリフォルニア州シーサイドの「駐車および積載に関する条例」では、「ボートやキャンピングカーなどを家に保管する際は、前面と側面を高さ6フィート(約1.8メートル)以上のフェンスで囲む必要がある」と定められています。シーサイドに住むエティエン・コンスタブル氏はこの条例に違反していたため、当局から「条例に反した状態が続くと100ドル(約1万6000円)の罰金を科すことになる」という通知を受け取ることとなりました。

コンスタブル氏は条例を守るために、ボートの前にフェンスを設置しました。ここまでは一般的なやり取りに見えますが、ここでコンスタブル氏の隣に住むアーティストのハニフ・パンニ氏が参戦。パンニ氏はコンスタブル氏が設置したフェンスに絵を描き始めました。



そして、あれよあれよといううちにフェンスにリアルなボートが描かれ、「フェンスで隠しているのにボートがまる見え」という奇妙なアートが住宅街に出現することとなったわけです。



完成したフェンスの見た目はこんな感じ。



近くで見ると、ボートがかなり詳細に描かれていることが分かります。



パンニ氏はフェンスにボートを描いた理由について「私はコンスタブル氏が『官僚的なハードル』を規則を守りつつ独創的な方法で乗り越えられるよう手助けしたかったのです」とコメントしています。また、シーサイドのアレクシス・ガルシア・アラゾラ議員は「規則をただ守るだけでなく、地域主導の解決策を示した創造的なアプローチを称賛します」と述べ、ボートが描かれたフェンスに好意的な姿勢を示しています。

なお、コンスタブル氏はパンニ氏に対して100ドルをはるかに上回る代金を支払ったそうです。