キズ

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6月1日に国立代々木競技場第二体育館で開催されたキズの単独公演『星を踠く天邪鬼』のオフィシャルレポートが到着した。

キズが、6月1日に国立代々木競技場第二体育館にて単独公演『星を踠く天邪鬼』を開催。アンコールでは5月にリリースされたばかりの最新曲「鬼」を披露し、曲終わりにはキャリア初となる日本武道館単独公演『焔』を2025年1月6日(月)に開催されることを発表して、満員の客席から万雷の拍手と歓声を浴びた。
 
2017年に始動して以降、ボーカルの来夢による痛みにあふれた詞世界と高い演奏力によるアグレッシブなパフォーマンスで、ヴィジュアルシーンを中心に支持を広げてきたキズ。初ワンマン以降、次々に単独公演をソールドアウトさせ、一昨年には日比谷野外音楽堂、昨年はNHKホールと大規模ホールでのライブを成功させてきた。彼らにとって史上最大級の会場となる国立代々木競技場第二体育館も当然のごとく完売に。

3rdシングルの「傷痕」からライブを幕開けると、巨大LEDモニターに映し出される幻想的な映像やリリックを背に、代表曲を休みなく投下してオーディエンスを沸騰させた。「Bee-autiful days」では降ってきたバルーンを楽しそうに弾ませる客席を目にして、来夢が「俺の痛みがお前らの何かになってくれればそれでいいと思う」と呟く場面も。本編ラスト曲の「地獄」では容赦なく噴き出すスモークを浴びながら、ヘッドバンギングと拳の嵐を場内に巻き起こし、オーディエンスと心を一つにして熱いうねりを作り上げた。
 

アンコールでは先日デジタルリリースされた6分超えの大作「鬼」を初披露。ひたすらに“生きる”ことを訴える壮大なナンバーの終盤には、ステージ後方の巨大LEDモニターに歴代のMVがデビュー曲の「おしまい」から時系列で映し出され、来夢は「俺を愛してくれてありがとう! 俺を救ってくれてありがとう!」と絶叫する。そして映像が「鬼」のMVまで行き着いた次の瞬間、モニターには「2025年1月6日(月)単独公演 日本武道館」の文字が。一瞬どよめいた客席は、それが次回公演の告知だと理解すると、怒涛のような歓声と拍手が湧き上がった。
 
自身の演奏を終えたメンバーは曲が終わる前にステージを去り、最後まで歌い切った来夢も何も語らずにお立ち台から降りてライブは終了。会場の出口では最新のフライヤーが配布され、そこには日本武道館公演のタイトルが『焔』であることが記されていた。“焔”とは、すなわち“炎”のことだが、一方で“ねたみ・怒りなどの激しい感情や欲望で燃えたつ心をたとえていう語”でもあるという。これまでも負の感情をあまりにも赤裸々に謳ってきたキズにとっては実に“らしい”ネーミングの大舞台で、彼らは果たして何を燃やすのか? そこから生まれるキズの新たな“はじまり”を期待したい。

文=清水素子 撮影=浜野カズシ