【高齢者の入浴介助】浴室手すりの設置場所3つを介護福祉士に聞く
自宅で介護をおこなうにあたって、悩みのひとつとなるのが「入浴」でしょう。高齢者が安全に入浴をするには手すりの設置が不可欠です。そこで今回は、介護福祉士の赤星さんに浴室に手すりを設置する際の場所・ポイントについて伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【高齢者をお風呂に入れる時の介助手順はどうすればいいの? 正しい方法を教えて!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修介護福祉士:
赤星 薫(介護福祉士)
植物や農業について高校・大学で学び、高齢者向けに園芸療法を実践したいと考え、介護現場へ就職。7年半の勤務後、2016年に園芸療法の普及をすべく、出張型のフラワーアレンジメント・園芸教室を行う「ハッピースマイル」を創業し、活動の幅を広める。介護福祉士・高校農業科目教員免許・フラワー装飾技能士・メディカルアロマで行うタッチケアなどの資格や経験も活かして、植物のチカラを使った心身のケア方法を伝えている。
編集部
自宅で入浴介助をする際、どのような点に気をつければいいのでしょうか?
赤星さん
入浴中に最も注意が必要なのが転倒です。入浴中に転倒して骨折をしてしまい、介護度が上がってしまうということは在宅介護の現場で頻繁に起きています。対策については様々ありますが、転倒防止のための手すりを適切な位置に設置するのがおすすめです。
編集部
手すりはどのような場所に設置すればいいのでしょうか?
赤星さん
手すりが必要になってくる場所は主に、「脱衣室から浴室へ移動する導線」、「洗い場の壁」、「浴槽の壁」の3つのポイントです。実際に設置する場所は、浴室の構造によって異なりますが、高齢者が握りやすく、掴むと身体が安定する高さに設置する必要があります。手すりは介護保険の補助金を使って設置することもできますし、工事が難しい場合は、福祉用具のレンタルサービスを使うこともできます。詳しい情報は、お住まいの市町村役所やケアマネジャーに相談してみてください。
編集部
ほかにも気をつける点はありますか?
赤星さん
よく見落とされがちなのが、脱衣室と浴室の温度差です。衣類を脱いだ時やお風呂からあがった時などは、温度差が激しいと身体に負荷がかかります。負担が大きいと意識を失って転倒し、骨折をしてしまうケースもあります。温度差が出ないための環境整備も、重要なポイントです。