Xboxトップのフィル・スペンサーが「Windowsが携帯型ゲーミングPCの体験を悪化させている」と批判
近年では、「ROG Ally」や「Lenovo Legion Go」などの携帯型ゲーミングPCが数多く登場しています。Xboxトップのフィル・スペンサー氏は海外メディアのPolygonが実施したインタビューの中で、自身が携帯型ゲーミングPCを使う中での不満点を指摘し、「携帯型ゲーミングPCをXboxのように感じてもらいたい」と述べています。
A handheld Xbox is the dream, says Microsoft gaming chief Phil Spencer - Polygon
Phil Spencer on what the hell is happening in the games industry - Polygon
https://www.polygon.com/24108700/phil-spencer-interview-2024-xbox-exclusives-layoffs
Phil Spencer, forever the optimist, hints that he's interested in a Microsoft version of Big Picture Mode for handheld gaming PCs: 'I want my Legion Go to feel like an Xbox' | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/hardware/handheld-gaming-pcs/phil-spencer-forever-the-optimist-hints-that-hes-interested-in-a-microsoft-version-of-big-picture-mode-for-handheld-gaming-pcs-i-want-my-legion-go-to-feel-like-an-xbox/
Phil Spencer Discusses Xbox Handhelds and the State of the Games Industry
https://www.thurrott.com/games/300024/phil-spencer-discusses-xbox-handhelds-state-of-the-games-industry
スペンサー氏はSteam DeckやROG Ally、Lenovo Legion Goなどの携帯型ゲーミングPCを使用した上で「Valve、Asus、Lenovoが携帯型ゲーミングPCという新しいフォームファクタでイノベーションを起こしたという事実が気に入っています」と述べています。実際にスペンサー氏はLenovo Legion GoでXbox Game Passを用いて「Fallout 76」をプレイしているとのこと。
しかし、スペンサー氏は「これらの携帯型ゲーミングPCでゲームをプレイしていると、10回のうち9回はまるでコンソールのようなパフォーマンスの低下が確認されます」と指摘。また、「パフォーマンスの低下に伴うイライラは、通常、デバイス由来の問題というよりもWindows由来の問題です」と批判しました。
そのためスペンサー氏は「Xboxアプリをフルスクリーンで、それでいてコンパクトに起動できるようにして、ソーシャル体験もすべて得られるようにしたいのです。テレビを点けてXboxをすぐプレイできるような感覚が得られる携帯型ゲーミングPCを望んでいるのです」との見解を示しています。
海外メディアのPC Gamersは「スペンサー氏はおそらく、Windowsベースの携帯型ゲーミングPCに『統一されたソフトウェア体験』というものをスムーズに提供することを考えています。つまり、ROG AllyであれLegion Go であれ、携帯型ゲーミングPCであれば同じインターフェースとゲームライブラリが表示されるというアイデアです」と指摘しました。このスペンサー氏のアイデアは、Linuxベースの独自OS「SteamOS」を搭載した「Steam Deck」で実現しているといえます。Steam Deckでは、ユーザーはPC版のSteamと同じゲームライブラリにアクセスでき、ユーザーインターフェースもPC版SteamのBig Picutreモードとほぼ同じです。
Steam公式携帯ゲーミングPC「Steam Deck」セットアップ編、LinuxベースOS搭載でUIはこんな感じ - GIGAZINE
一方でスペンサー氏は「Microsoftが携帯型Xboxの開発に取り組んでいるのではないか」とのうわさについて言及しませんでした。しかし、Xboxのハードウェアチームは「さまざまなハードウェアフォームファクターとともに、可能性を検討しています」と語っています。
また、スペンサー氏は、複数のコンソールやストアでゲームがリリースされる状況や、リリースからわずか数週間で大幅な割引きが行われる状況、発売と同時にゲームサブスクリプションサービスに追加される状況などを憂慮しており「1本のビデオゲームを開発するのに3億ドル(約450億円)を要することがあります」と述べています。さらに、膨大する開発コストがゲーム業界にさまざまな問題を生み出していると指摘しています。
スペンサー氏によると、開発コストの増加によって大規模ゲーム開発企業による独占が進むだけでなく、コンソール市場の大幅な停滞が予測されるとのこと。それでもスペンサー氏は「これまでに下してきた全ての決定は、長期的に見てXboxをより良くするために必要なものでした。だからといって、私たちが下す全ての決定にXboxファン全員が同意するわけではありません。しかし、それが私たちのやり方なのです」と語りました。