2月29日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、電気自動車に関するニュースについて意見を交わした。

藤井氏「いろいろ技術は進めているけど、そんな簡単じゃない」

アメリカのIT企業・アップルが電気自動車(EV)の開発計画を中止する。生成AI(人工知能)の登場による競争環境の激変に加え、EVとセットで進めていた自動運転技術の開発も滞っているため、経営資源の投入先を見直す。

ガソリン車からEVへのシフトを進めていた車大手でも戦略を見直す動きが広がっている。ドイツのメルセデス・ベンツは2030年の「完全EV化」を見直し、2025年までに新車販売の最大50%がEVとPHV(プラグインハイブリッド)になるという従来の見通しを修正した。

寺島アナ「世界的な電気自動車販売の減速が背景にあるということですが、次世代車の牽引役であるEV見直しの動き、これが世界に広がっているということですね。藤井さん、こういう状況になってきました」

藤井氏「いやぁ、よかったですね。これはもうバカみたいな話でしたからね。ハイブリット車のエネルギー効率は、発電の仕方にもよりますけどEVよりも外資で高いというふうにも考えられますし、日本の国益というか利己的な国の都合だけ言うと、トヨタはハイブリット車が強いですから、我が日本の産業から考えてもEVシフトがブレーキになるというのはトヨタが生き残る可能性を幾分なりとも高めますからよかったと思いますよ。
僕はこのEVが完全に世の中進んじゃったら最後の至宝である日本の自動車産業も完全に滅び去るだろうと思っていましたから、たかだか自動車産業だけが残ったところで日本という巨大な国家の経済が支えられるとは到底思わないですけど、とはいえ日本勢が生き残る可能性が高まったというのは、日本勢としては非常に嬉しいということに思います。EVって……ガソリンで走るのが何がダメなんだって話ですよね?」

寺島アナ「CO2(削減)っていうところからきていて、だけれども『電気作るにはどうするんですか?』っていう大元を忘れがちになるんですよね、世界的にも」

藤井氏「そう。だからそこがどうなのかがわかんないし、核融合ができたらまた状況が変わるんでしょうけど、なかなか進まないでしょうし、自動運転技術っていうのが交通工学の中で我々ずっと議論を進めているんですけど、レベル1・2・3・4っていうのがあって、完全自動運転化とかっていうのもあって、いろいろと技術は進めているんですけど、そんな簡単じゃないんですよ。ラストワンマイル問題があったりだとか。うまくいかないんですよ、簡単には」

寺島アナ「難しいんでしょうね」

藤井氏「常識で考えたらわかります」