1月17日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにノンフィクションライター、中村淳彦さんが出演。昨年12月発売の新刊『私、毒親に育てられました』に関して語った。文字どおり「毒親に育てられた」という女性の話が綴られており、取材を希望する人も多かったという。

中村淳彦「取材って『人探し』から始めるんです。いろんな本を出してきたんですけど、こんなにあっという間に人が集まったのは初めてです。毒親に育てられました、という女性が1日2日で殺到して。取材もいろんなテクニックを使って聞き出すというのが基本なんですけど、みんな前のめりでしゃべっていました」

壇蜜「『いつから』というのが、皆さん早かった」

中村「母親とだから、生まれたときからそういう関係なんですよ。みんな子供のころから被害を受けていた、という話をしていました」

大竹まこと「中村さんは実名や地域性などをなるべく避けて本を書くと聴いていますが、登場する方は地域も何もかも、実名まで載せてほしいという声もあったみたいですね?」

中村「そう。まず母親と父親に対して恨みを持っているけど、よく考えると『地域の人が助けてくれない』『地方で女の子が酷い扱いを受けるのが当たり前になっている。おかしい』と気づいて、中学や高校を卒業したら逃げる子もいる。親も家族も地域も恨む、みたいな感じですね」

壇蜜「すべてが恨めしい、と」

中村「恨めしいでしょうね。地域名を出してほしいぐらいですから」

大竹「地方と都市部とでは、どっちのほうが多いですか?」

中村「地方は家父長制や家にとらわれた虐待(が多い)。男尊女卑だから長男だけをかわいがって、長女、次女は別に、みたいなことは地方だと思うんですね。都市部になると虐待の形式が変わってきます。いま中学受験が流行っていますけど、教育虐待が蔓延しているんじゃないかな、って」

大竹「どういうことですか?」

中村「『とにかく勉強しろ』で塾に入れる、家庭教師をつける、子供が望んでいないのに勉強漬けにさせる。偏差値であの子より下、隣の子より下、みたいなことを言われる。そういうことが都市部で起こっている感じです」

大竹「教育ママみたいなことは言われていたけど、教育虐待というのが進んでいる」

中村「進んでいるように見えて、子供が減っているのに中学受験者数が過去最高になっている。塾の広告や宣伝、マーケティングがすごくて、とにかく教育にお母さんが熱を上げている状態なんです」

大竹「突っ込んで言うと……。俺なんか、自分はそこそこの頭しかないんだから、遺伝を考えて、トンビは鷹を生まないんじゃないかと思うんだけど」

中村「トンビは鷹を生まない、だから虐待になってしまうんですよ。自分のレベルより全然高いところを子供に強いたり希望したりする。どんどん勉強させても偏差値は上がらないから、子供が被害を受ける、みたいな状況になるんですね」