「足の裏の何かを踏んでいる違和感」はどんな病気が考えられる?医師が解説!

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足の裏の何かを踏んでいるような違和感で、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会医員)

奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。
生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に訪問診療にも従事している。
日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会所属。
オンライン診療研修受講

「足の裏の何かを踏んでいるような違和感」の症状で考えられる病気と対処法

足の裏で何かを踏んでいるような違和感を自覚されたことはありませんか?足の裏の感覚に異常がある場合、神経の感覚障害という分類になりますが、その原因はさまざまです。以下で解説します。

足の裏の何かを踏んでいるような違和感の症状で考えられる原因と対処法

足の裏で何かを踏んでいるような違和感を感じる場合、頻度の多いものとしては足根管症候群の可能性が考えられます。足根管症候群の詳細は後述しますが、足の裏の感覚を担当する神経が圧迫されるために起こる病気です。
足関節の内くるぶしあたりにある足根管というトンネル状の構造の部分で、足の裏へ走る神経が圧迫されることが原因です。
基本的に内服薬や一時的な注射で様子をみることが多いですが、長期間症状が改善しなかったり悪化したりする場合は、手術という選択肢もあります。
専門科は整形外科です。緊急性はありませんので日中に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「足の裏の何かを踏んでいる違和感」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

急激に足の力が入らなくなっている場合は、整形外科・脳神経外科へ

足の裏の何かを踏んでいるような違和感に加えて、急激に足の力が入らなくなる場合、後に詳しく記載している腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。
この病気のメカニズムなどは後述していますが、その症状の中で足の脱力が進行しているというのは、かなり病状が進行している状態です。早く診断して適切な治療を行う必要があります。
専門科は整形外科や脳神経外科です。夜間に救急外来に行くほどの緊急性はありませんが、平日日中のできるだけ早い日程で受診する必要があります。

受診・予防の目安となる「足の裏の何かを踏んでいる違和感」のセルフチェック法

足の裏の何かを踏んでいる違和感以外にしびれがある場合

足の裏の何かを踏んでいる違和感以外に痛みがある場合

足の裏の何かを踏んでいる違和感以外に足の筋力低下がある場合

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」の症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「足の裏の何かを踏んでいる違和感」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

足根管症候群

足根管症候群とは、足の裏に行く神経が圧迫されることで、足の裏で何かを踏んでいるような異物感が現れる病気です。
足の裏に行く神経は、足首(足関節)の内側くるぶしの下辺りを通って、足の裏から足の指先へと走っています。この内側くるぶしの部分は、狭いトンネル状の構造になっており、この部分を足根管と言います。この足根管の中を神経、動脈、静脈がともに走っているため、神経が圧迫されやすく、足根管症候群が起こるというメカニズムです。
特徴的な症状は、足の裏の異物感、違和感、痺れ、痛み、冷えなどがあります。ご自身でできる対応は、この内くるぶしを圧迫する要因(靴が合っていないなど)を取り除くことです。
治療方法は基本的に保存療法といって手術は行わず、ビタミン剤や痛み止めを内服する、ステロイドの注射を行って様子をみる、という方法が多いです。それでも症状が強い場合には、手術を行うこともあります。
専門科は整形外科です。緊急性はないので日中に受診してください。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアについて解説する前に、まず椎間板ヘルニアについて説明します。
脊椎という背骨を構成する骨の間には、椎間板というクッションの役割を果たす組織があります。このクッションによって脊椎は首から腰まで、体幹の動きに対して柔軟に対応できるようになっています。椎間板ヘルニアとは、さまざまな原因で椎間板が脊髄の通り道(脊柱管)にとびでてしまい、神経組織を圧迫してしまう病気です。どの部分で神経組織がされるかで病名や症状が変わります。
頚椎(首の骨)では頚椎椎間板ヘルニアとなり、腰椎(腰の骨)では腰椎椎間板ヘルニアとなります。
腰椎椎間板ヘルニアでは、主に腰や脚に向かう神経が圧迫、障害されます。そのため、腰やお尻、脚に痛みが生じます。また筋力低下や感覚障害(しびれた感覚、違和感、感覚が鈍くなる、など)につながります。
受診すべき科は脳神経外科か整形外科です。診察で詳しい症状の位置を確認し、MRIなどの画像検査を使って診断を行います。症状が軽度であれば、痛み止めの内服やリハビリテーションなどの保存的治療で対応できますが、痺れや筋力低下などかなり症状が強い場合は手術も検討されます。脚の筋力が急激に低下する、痺れや痛みが強いという場合は、一度上記の診療科を受診しましょう。

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害とは、糖尿病によって起こる重篤な合併症の一つです。糖尿病とは、単に「血糖値が高い病気」と捉えられがちですが、問題になるので高血糖が引き起こす血管と神経へのダメージです。特にこの糖尿病性神経障害では、手先足先の細い神経へのダメージが生じるために起こります。
特徴的な症状は、手先足先の痺れや冷え、足の裏に紙が貼りついたような異常感覚です。左右対称に手足に症状が見られることが多く、手袋をつけたような、そして靴下をはいたような感覚の異常が出現することから、「手袋靴下型の感覚障害」と呼ばれています。
ご自身でできることは、まず糖尿病の治療を適切に行うことです。特に糖尿病治療を行なっている方は、食事管理を徹底しましょう。
治療法は糖尿病自体への治療(内服薬、インスリン注射)に加えて、神経障害のために起こる痛み、痺れに対しての内服治療があります。
診療科は一般内科、内分泌内科です。糖尿病に対しての治療が十分でない場合や、長年放置している場合、糖尿病性神経障害が出現・悪化するリスクは高くなります。健康診断などで指摘された方は早めに医療機関で相談しましょう。

アルコール性神経障害

アルコール性神経障害とは、長期間かつ大量のアルコール摂取によって、手足の神経が障害される病気です。その原因として2つのパターンがあり、ひとつはアルコール自体の作用によって神経が直接ダメージを受ける場合です。もうひとつは、アルコールを分解するためにビタミンB1を大量に消費することから、ビタミンB1欠乏状態になって神経障害を引き起こす場合が考えられています。
特徴的な症状は、手足の先の痺れ、痛み、脱力、筋萎縮(筋肉が痩せてしまうこと)などがあります。
自身でできる対応はまず禁酒です。節酒ではなく完全な禁酒が重要です。これは神経障害まで起こすほどのアルコール多飲者の場合、アルコール依存症も合併していることが非常に多いためです。そして、神経障害まで起こしている場合は病院受診が必須です。受診すべき診療科は脳神経内科です。また、アルコール過剰摂取に伴う他の病気が隠れていないか調べることもあります。緊急性はありませんができるだけ早く受診するようにしましょう。

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」の正しい対処法は?

まずは足根管症候群の可能性を考慮して、靴で圧迫されていないか検討しましょう。サイズの合っていない靴は履かないようにしてください。市販薬の痛みどめやビタミン剤も一定の効果が見られる場合があります。
またアルコールを毎日、よく飲むという方はその量を減らすか、完全にやめるようにしましょう。
しかし糖尿病をすでに患っている、腰痛や脚に響く痛みがある、といった症状がある方は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」の症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「足の裏の何かを踏んでいる違和感」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

足の裏に何かを踏んでいる違和感があるときは何科の病院で相談できますか?

中川 龍太郎(医師)

整形外科や脳神経内科で相談するのが良いでしょう。

足の裏に何かを踏んでいる違和感があるのですが病院に行く目安を教えてください。

中川 龍太郎(医師)

違和感以外に痛みやしびれた感覚などがあれば、一旦病院を受診しましょう。

足の裏の何かを踏んでいる違和感を和らげる方法はありますか?

中川 龍太郎(医師)

痛み止めの内服で改善する場合もありますが、長期間痛み止めを飲まないといけない場合は、一度医療機関で診察を受けましょう。

まとめ足の裏の何かを踏んでいる違和感が気になるときは整形外科や脳神経内科を受診

足の裏で何かを踏んでいるような違和感を起こす病気をいくつか解説しました。原因は足だけでなく、むしろ神経への影響がほとんどです。その判断は非常に難しいので、我慢せずに病院を受診するようにしてください。

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」症状で考えられる病気

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

足根管症候群

腰椎椎間板ヘルニア

神経の病気

糖尿病性神経障害

アルコール性神経障害

足の裏の違和感は、基本的に神経障害によるものがほとんどです。症状が長引く場合は、早めに病院を受診してください。

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」に似ている症状・関連する症状

「足の裏の何かを踏んでいる違和感」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

足がビリビリと痛い

電気が走るような痛みが脚に起きる

靴下を履いたような異常な感覚がある

「足の裏で何かを踏んでいる」感覚以外に、これらの症状が見られた際も腰椎椎間板ヘルニアや足根管症候群などの可能性があります。複数見られる際は一度医療機関を受診しましょう。

【参考文献】
・[日本整形外科学会]日本脊椎脊髄病学会 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改定第3版
・[日本脊髄外科学会HP]足根管(そっこんかん)症候群
・[日本内科学会]糖尿病性神経障害の病態と治療