圧巻3連勝の阪神で球団レジェンドOBが「MVP」に挙げた選手とは?「投手の気持ちを前に向けた」

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掛布氏は坂本と木浪をMVPに挙げた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 10月20日、セ・リーグクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦が行われ、阪神が広島を4−2で下し、1勝のアドバンテージを含めて4勝無敗で9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。CSのMVPには10打数5安打1打点と大活躍を見せた木浪聖也が選出された。

【動画】坂本誠志郎が決勝打!日本シリーズ進出へ導いた2打席連続のタイムリーの映像

 勝てば日本シリーズ進出が決定する一戦。打線は相手先発の床田寛樹に3回まで無失点に抑えられた。4回には広島に先制を許したが、その裏の2死一、二塁のチャンスでシェルドン・ノイジーが同点の右前適時打、続く坂本誠志郎が勝ち越し適時打を放ち、逆転に成功。その後、同点に追いつかれたものの、6回にはまたしても坂本に勝ち越し適時打が飛び出し、7回には押し出し四球で加点した。

 一方の投手陣は、先発の大竹耕太郎が広島打線に2点を献上したが、後続の5投手が無失点に抑え、最後までリードを守り切った。セ・リーグ覇者の阪神が広島に力の差を見せつけ、無傷の3連勝で日本シリーズ進出を決めた。

 CSでの阪神の戦いぶりを球団のレジェンドはどう見たのか。阪神OBでプロ通算349本塁打のレジェンド、掛布雅之氏が自身のYouTubeチャンネル「掛布雅之の憧球」で動画を更新し、セ・リーグのCSファイナルステージを振り返った。

 掛布氏は動画の序盤、初戦に先発した村上頌樹について「初戦で先発した村上はややボールが高く、球数も多くてシーズン中とは違った」と感想を述べた。しかし、「今回のCS初戦のマウンドでは、2桁勝って、防御率1.75で(最優秀防御率)のタイトルを取ったということを背負っていた。今年の初登板の時とは全然気持ちが違う。負けられない、1年間の重みというものを背負った投球だったが、その中で6回1失点というのはすごいなと思った」と語り、粘りの投球を見せてチームの勝利に貢献したエースを称えた。

 また、同氏は自身が考えるCSの「MVP」についても言及。最優秀選手に選ばれ、賞金200万円を獲得した木浪聖也と坂本誠志郎の名前を挙げた。坂本について掛布氏は「次の日本シリーズを考えたときに、この3連戦の坂本のリードは素晴らしかった」と話し、投手陣を引っ張った扇の要を称えた。「このシリーズで坂本の広島打線に対するインコースへの攻め方がすごく厳しかった。打者を攻める球を投げさせることによって投手の気持ちが前に向く。そういう気持ちにさせる坂本のリードが広島に試合の流れを渡さない大きなポイントになった」と解説した。

 日本シリーズでも坂本が投手陣を引っ張り、チームを38年ぶりとなる日本一へと導くことができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]