「穿いたままシャワーで」リーバイスCEOが勧める「ジーンズの洗い方」の困惑

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 リーバイスのチップ・バーグ最高経営責任者(CEO)が先ごろ、CNBCの取材に対して「ジーンズは穿いたままシャワーに入って汚れを落とすといい」とアドバイスした。環境にも優しくジーンズを長持ちさせることもできるという。

「バーグ氏は2019年にCNNの取材を受けた際、約10年洗っていないジーンズを穿いて出演したというツワモノ。基本的にジーンズは洗濯せず、雑菌が増えて臭ってきたら冷凍庫で凍らせることを推奨していました。しかし、今回の取材ではどうしてもジーンズを洗わなければならない時は穿いたままシャワーに入り、体を洗うように石鹸で洗っていることを明かしたのです。ただ、この洗い方はジーンズ全体が本当に汚くなった時のみやっているといいます」(フリーライター)

 ジーンズを洗うべきか洗わないべきかは、長年の論争になっている。ジーンズマニアの中には色落ちやシワをキープするために一度も洗わないという人もいる。なお、パナソニックが昨年実施した調査によると、ジーンズは「2〜3回使用したら洗う」「4〜5回使用したら洗う」「6回以上使用したら洗う」と回答した人がそれぞれ多く、洗う頻度にばらつきがあることが分かっている。今回のバーグ氏のアドバイスがジーンズの洗い方の一つの回答になったかもしれない。

「近年では日本のみならず世界中で若者たちのジーンズ離れが進行していますが、最大手であるリーバイスのバーグ氏のアドバイスこそがジーンズ離れの根本原因とも言えるのではないでしょうか。バーグ氏は基本的にジーンズを洗わないそうですが、洗わなければ当然、雑菌が繁殖します。この雑菌は悪臭の原因となりますし、冷凍が洗濯の代わりになる科学的根拠はありません。また、ジーンズ1本を洗うのにわざわざ穿いたままシャワーに入って手洗いするのは非常に手間がかかるし、抵抗を感じる人はいるでしょう。むしろ若者たちにとってジーンズは不衛生で手入れに手間が掛かるという印象をより強く与えてしまう、バーグ氏の発言なのでは」(ファッションジャーナリスト)

 いくらリーバイスのCEOが言おうとも、それはちょっと…。と思った人は多いのではないか。

(小林洋三)