首都圏の賃貸物件が人気の路線はどこ? キーワードは「航空需要」と「都心回帰」
住む場所を考えるにあたり、住まい自体のスペックや周辺環境とともに重視したいのが、通勤や通学のアクセス環境ではないでしょうか。公共交通機関での移動が主な首都圏では特に、どの沿線の近くに住むかによって交通の利便性が大きく変わります。実際に引っ越しを検討している人は今、どの沿線に興味を持っているのでしょうか。
最も賃貸物件の問い合わせが増えている鉄道路線は「京急空港線」!
株式会社LIFULLが、2023年上半期の賃貸物件問い合わせ数を路線ごとに集計し「賃貸物件の問合せが増えている鉄道路線ランキング」を公表。首都圏で2022年よりも沿線賃貸物件へ問い合わせが最も増加している路線は「京急空港線」でした。
羽田空港へアクセスする際に品川駅や蒲田駅から京急線を利用する人が多いと思います。羽田空港寄りから駅ごとに問い合わせ増加率を見ると「天空橋」が前年比191.7%、「穴守稲荷」が121.1%、「大鳥居」が130.1%、「糀谷」が119.3%、「京急蒲田」が117.3%とすべての駅で増加しています。
コロナ禍に控えていた旅行を計画する人が増えて航空需要がある程度回復し、採用を停止していた航空会社は元の就業体制に戻しつつあります。そうした背景により、沿線に住みたいと考える航空会社の従業員や空港職員が増えていると考えられ、成田空港にアクセスしやすい「JR成田線」も7位にランクインしています。
「京急空港線」に次いで沿線の賃貸物件に関する問い合わせが増加しているのが「東京メトロ銀座線」。渋谷と浅草を結び、銀座や日本橋、上野といった都心の主要駅を網羅する路線ですが、全19駅中16駅で問い合わせ数が増加。なかでも「浅草」が前年比138.3%、「田原町」が133.8%、「神田」が138.6%と、城東エリアの駅の問い合わせ数が大幅に増加しています。在宅ワークを推奨する企業が多かったコロナ禍の暮らしが一段落し、都心へ通勤する人が増えたことが影響していると考えられます。
これから引っ越しを予定している人は今回の調査結果をもとに、どの沿線で暮らしたいか考えてみてはいかがでしょうか。