5歳の弟と鉛筆をめぐって口論していた9歳少女。喧嘩は徐々にヒートアップし、弟にリュックで頭を叩かれた少女は深刻な事態に陥ってしまった(画像は『New York Post 2023年7月10日付「Girl, 9, recovering after scissors were stuck in her head for a week」(ViralPress)』のスクリーンショット)

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9歳と5歳の姉弟が喧嘩をしていた際に、弟が姉にリュックをぶつけた拍子にハサミが姉の額に刺さるという痛ましい事故がフィリピンで発生した。両親はすぐに病院に運んだが、高額な治療費を用意することができず、姉はハサミが刺さったまま1週間も入院することになった。のちに寄付が集まったことで手術を受けることができたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

ケガをしたのはフィリピン南部サランガニ州在住のニコル・ラーガちゃん(Nicole Raga、9)で当時、5歳の弟と喧嘩をしていた。2人は鉛筆をめぐって言い争っていたが、次第にヒートアップし、弟は持っていたリュックでニコルちゃんの頭を叩いた。

しかしこの時、弟のリュックの中に入っていたハサミが運悪く飛び出し、ニコルちゃんの額に突き刺さってしまった。泣き叫ぶニコルちゃんの声を聞いて事態に気付いた父親のルネ・ボーイ・ラーガさん(Rene Boy Raga)は、ハサミが刺さったままのニコルちゃんを急いで病院へ連れていった。

病院に到着したニコルちゃんだったが、治療には3万フィリピン・ペソ(約7万6200円)が必要となった。給与比較サイト「Salary Explorer」によると、フィリピンにおける平均月収は4万4600フィリピン・ペソ(約11万3290円)であり、貧しいルネさん一家にとって高額な治療費だったため、すぐに用意することができなかった。

お金が支払われるまでは病院側も治療ができず、ニコルちゃんはハサミが刺さったまま入院することになった。この話を聞いた地元の人々がニコルちゃんを心配し、寄付をしてくれたおかげで必要な額が集まったが、その間のニコルちゃんはハサミが刺さったままの状態で1週間も入院していた。そして今月9日、ようやく手術を受けてハサミを外すことができた。幸いにもニコルちゃんに脳の損傷はなく、ケガの影響が残ることもないという。

ルネさんは「助けてくださった皆さんに感謝しています。私たちは貧しいので、どうやって手術代を用意したらいいのか分かりませんでした。お金を出してくれた人、ニコルのために祈ってくれた人がいて、本当に幸運でした」と述べており、「ハサミやナイフなどの鋭利なものは、子どもから遠ざけておかなければなりません」と他の親に注意喚起した。

ニコルちゃんの叔母であるキム・アブレニカさん(Kim Abrenica)は「入院中のニコルは痛がっていませんでしたが、退屈だったので歩き回ったり遊びたがったりしていました」と入院中の様子を説明した。「今回のようなことが二度と起こらないよう、危険なものがないか家中をチェックしました」とも明かしている。

ちなみに2018年にはアメリカで、遊んでいた10歳少年が木の上から落下し、BBQの焼き串が顔面に突き刺さるも奇跡的に急所を外して助かっていた。

画像は『New York Post 2023年7月10日付「Girl, 9, recovering after scissors were stuck in her head for a week」(ViralPress)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)