『NANA』で主演を務めた中島と宮崎

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『ONE PIECE』の実写版ドラマが話題だが、近年実写化される漫画作品は増え続けている。それは少年漫画、青年漫画だけでなく少女漫画も同じ。

少女漫画を原作とする作品では、今春もドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)、映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』が公開されたほか、7月クールの新ドラマではSexy Zoneの菊池風磨主演で『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)が放送される。

少女漫画は、大掛かりなアクションやバトルシーンを伴わない作品が多く、比較的実写化されやすいジャンル。しかし、どんなに人気のある作品であっても、実写化作品が必ずしも評価されるとは限らない。

漫画の実写化は、どこでファンの期待を裏切るのか? 今回は『少女漫画』を原作とした映画やドラマを対象に、「期待以上だった実写化作品」と「がっかりした実写化作品」についてアンケートを行った。今回は「がっかりした実写化作品」の結果を公表する。

3位に選ばれたのは『NANA』。原作となった矢沢あいによる同名漫画は、パンクロッカーの大崎ナナと、素敵なお嫁さんになるのが夢の小松奈々というタイプの違う二人のナナと、二つのバンドをめぐり恋愛が繰り広げられる物語。少女漫画にもかかわらず“王子様不在”のリアリティを描き、多くの読者の心をつかんで離さなかった。現在では、累計発行部数5000万部を超える伝説的人気作品なのだが、’09年に21巻が発売されて以降新刊は出ず未完のままだ。

中島美嘉と宮崎あおいのW主演で実写映画化されたのは、’05年のこと。中島美嘉が歌った主題歌「GLAMOROUS SKY」はオリコン週間チャートで2週連続1位を記録、2005年度年間ランキングでもトップ10入りする大ヒットに。しかし、原作愛の強いファンからは、”漫画の雰囲気と異なる””キャストのイメージが違う”などの声が寄せられた。また、続編の『NANA2』ではキャストが大幅に変更になったこともマイナス評価に。

《出演者がイメージと違った》
《キャストがしっくり来なかったから》
《漫画とのイメージが少し違う感じがした》

2位に選ばれてしまったのは『となりの怪物くん』。単行本の累計発行部数が710万部を突破する人気作品。冷徹でよい成績をとることにしか興味がない高校生の主人公・水谷雫が、隣の席の超問題児・吉田春と心を通わせていくという物語だ。

‘18年の映画では、主役の二人を土屋太鳳と菅田将暉が演じたものの、このキャスティングへの評価が厳しいものに。演技はうまいが、“高校生に見えない”というものだ。また映画内で使用されるワイヤーアクションにも不自然だとの評価が。’12年にテレビアニメが放映されていたため“これで十分”とそもそも実写化に否定的というファンもいたようだ。

《マンガの空気感と大きく異なっていたため残念だった》
《内容が映画の尺にあっていなかった全体的に高校生に見えない》
《アニメの出来が良すぎて実写化にそもそも否定的だったため》

がっかりした実写化作品1位に選ばれてしまったのは、『花より男子』。セレブ高校に入学した貧乏少女・牧野つくしが、大金持ちの男子グループ「F4」などと対決しながら持ち前の“雑草魂”で奮闘・恋愛するストーリー。原作漫画の累計発行部数は6100万部をこえており、2023年には、「最も多く発行された単一作者による少女コミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定される超絶人気作品だ。

‘95年にも内田有紀主演で映画化もされているが、今回不評だったのは’05年からのテレビドラマ版。主人公の牧野つくしを井上真央が、F4のメンバーは道明寺を松本潤、花沢を小栗旬、西門総二郎を松田翔太、美作あきらを阿部力が演じるという超豪華なキャスティング。実は本作は「期待以上だった作品」でも1位に選ばれているのだが、F4のキャスティングについて、絶賛する声とがっかりする声で割れてしまった。

《やはり、これは漫画だから良さがあって、実写では、しらけてしまった》
《俳優がキャラにあっていなかった》
《俳優がイメージと違う》
《F4が安っぽい》

とはいえ、「期待以上」ランキングでも1位なうえに、この’05年の実写化以降、韓国、中国、タイと海外でもドラマ化されていることから客観的な評価が高いことは事実である。全体的に得票数の差が少なかった今回のランキング。人気作品ほど、原作キャラクターをどう”実写化”するか、で意見が割れやすいのだろう。

【がっかりした少女漫画の実写化作品】

1位:花より男子(’05年ドラマ版)
2位:となりの怪物くん
3位:NANA
4位:ハチミツとクローバー(映画版)
4位:花ざかりの君たちへ
6位:桜蘭高校ホスト部
7位:君に届け(’10年の映画版)
8位:アオハライド
9位:俺物語!!
9位:PとJK

調査日:2023年6月28日
調査対象:15歳以上の男女400人
調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)