「インバウンド」がランキング1位、GW控え思惑人気再び<注目テーマ>

写真拡大

★人気テーマ・ベスト10  

1 インバウンド
2 水素
3 人工知能
4 パワー半導体
5 2023年のIPO
6 チャットボット
7 ペロブスカイト太陽電池
8 メガバンク
9 半導体
10 銀行

 みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「インバウンド」が1位となっている。

 新型コロナウイルス感染拡大を防止する目的で行われていた水際対策も足もとで大幅に緩和されている。3月以降は訪日外国人観光客の増勢が顕著となっており、国内小売業界の消費に占める外国人の割合も急拡大している。内閣府が10日に発表した3月の景気ウォッチャー調査(南関東)では、物価高の影響が反映され、コロナ禍からの経済活動の回復スピードが足もとでやや鈍化しているものの、外国人旅行客の消費需要が全体を支えている構図が浮き彫りとなった。小売店では全体に占める外国人客の客層比率が5~7割を占めているとの観測もある。また、訪日客は都心だけでなく、地方に足を運ぶケースも多くみられ、地方経済の活性化にも大きく貢献している状況だ。

 日本は世界的にみても物価上昇スピードが鈍く、世界的にインフレが高進するなかにあってインバウンドが取り込みやすい面もある。製品価格を値上げしても外国人を顧客ターゲットとしたものであれば、売れ行きが鈍化するということはない。そうしたなか、財務省が同日発表した2月の国際収支統計では、旅行収支は2239億円の黒字。これは前年同月比で約16倍という高変化率だ。旅行収支は外国人客の消費額から、日本人が海外で使った金額を差し引くもので、インバウンド需要の盛り上がりが数字にそのまま反映されている。いずれは、中国人観光客が本格的に日本に入国してくることが見込まれ、インバウンド特需は更に加速することが予想される。カレンダー的にも日本はこれからゴールデンウィークを迎えることもあり、インバウンドを含めた消費関連全般に強い追い風が吹いている。

 インバウンド関連銘柄では、JR東日本<9020.T>などJRグループや東急<9005.T>、京成電鉄<9009.T>、富士急行<9010.T>など私鉄各社。日本航空<9201.T>、ANAホールディングス<9202.T>などの航空会社。HANATOUR JAPAN<6561.T>、ベルトラ<7048.T>、エアトリ<6191.T>などの旅行関連や、京都ホテル<9723.T>、ワシントンホテル<4691.T>、帝国ホテル<9708.T>、ロイヤルホテル<9713.T>などのホテル株。また、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>、高島屋<8233.T>、J.フロント リテイリング<3086.T>などの百貨店株にも追い風が吹く。テーマパークではオリエンタルランド<4661.T>が注目されるほか、寿スピリッツ<2222.T>などの土産関連、ラウンドワン<4680.T>などのアミューズメント関連などもマークされる。

出所:MINKABU PRESS