適度なアイコンタクトは他人に良い印象を与えると言われており、会話を円滑に進めるためにもアイコンタクトは重要とされています。NVIDIAが提供する配信向けツール「NVIDIA Broadcast 1.4」では、AIを利用する事で視線を追跡し、常にカメラ目線にすることでアイコンタクトを維持する機能「Eye Contact」が追加されました。

NVIDIA Broadcast 1.4 Adds Eye Contact and Vignette Effects With Virtual Background Enhancements | GeForce News | NVIDIA

https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/jan-2023-nvidia-broadcast-update/?ncid=afm-chs-44270

With Nvidia Eye Contact, you’ll never look away from a camera again | Ars Technica

https://arstechnica.com/information-technology/2023/01/with-nvidia-eye-contact-youll-never-look-away-from-a-camera-again/

NVIDIA Broadcast 1.4では、視線を推定して位置合わせをすることで、カメラ目線を自動で維持するAIを利用したビデオ機能のEye Contactがリリースされています。Eye Contactでは、ソフトウェア上で制御し、シミュレートされた目に置き換えることで、実生活で目を逸らしている場合でも、配信画面上の目が常にカメラ目線になります。

また、置き換えられた目は本来の目の色を再現し、実際にまばたきをすると、画面上の目も同様にまばたきをすることで、シミュレートされた目と実際の目との間をスムーズに切り替えられるとのこと。

以下の動画ではNVIDIA Broadcast 1.4のEye Contactが紹介されており、リアルタイムで自然にカメラ目線に調整されていることが確認できます。

NVIDIA Broadcast 1.4 Update Featuring Eye Contact - YouTube

しかし、Eye Contact機能について多くのユーザーが否定的で、あるユーザーは「明らかに配信者が画面上に表示されていないテキストを読みながらもアイコンタクトを維持することは恐ろしいです」と述べています。





また、元ニュースキャスターのスコット・ベイカー氏は「常にカメラ目線でアイコンタクトを取ることはコミュニケーションにおいて適切なアプローチではありません。効果的なコミュニケーションを行うには、実際の生活と同様に、自然にカメラから目線を外す必要があります」と述べています。





ビデオ通話や配信において常にカメラ目線にする機能を導入した企業はNVIDIAが初めてではなく、Appleは2019年にビデオ通話アプリの「FaceTime」に「アイコンタクト」の機能を導入しました。アイコンタクト機能の導入の際にもEye Contactと同様の否定的な意見が寄せられたそうです。



NVIDIA Broadcast 1.4のEye Contactは記事作成時点でベータ版で、NVIDIAは「一人一人異なる目の色や照明との組み合わせが無数に存在するため、ユーザーのフィードバックによってさらなるアイコンタクトの改善を行いたいと思っています」と述べています。