芸能界の “慣例” にくさびが打ち込まれる形となった。

 芸能事務所「ギザアーティスト」が、専属契約を結んでいた歌手・愛内里菜に対し、芸名を使用しないよう求めた訴訟で、東京地裁は12月8日、請求を棄却。

 事務所と愛内は、2010年末で契約が終了している。その上で、芸名に関して契約終了後も無期限に使用許諾の権限を事務所に認めている点について、「社会的相当性を欠き、公序良俗に反する」として無効になった。

「愛内さんは『NHK紅白歌合戦』に出場経験があり、テレビアニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)の主題歌を歌うなど活躍しました。その後は本名の『垣内りか』や『R』名義を使っていましたが、やはり、知名度のあるブレイク時の芸名のほうが活動しやすいのは明らかです。

 2019年に『愛内里菜』としてディナーショーを開催し、今年3月からも元の芸名で活動を再開したことから、今回の訴訟となりました。愛内は、事務所のプロデューサーをセクハラで訴えたものの敗訴。事務所は追撃したかったのでしょうが、予想外の判決が出た格好です」(芸能ライター)

 事務所は、即座に控訴の意向を示しているが、今回の判決を受けてネット上では、

《のんはいつ名前取り戻せるの?》

《この判断なら「能年玲奈」も使えるようになるのでは?》

《愛内里菜はOKで能年玲奈はアウト?》

《これ見たら、のんが本名の能年玲奈が使えないのが可哀想になってくる》

 との声が飛び交っている。

「2013年のNHK朝ドラ『あまちゃん』でブレイクした能年玲奈さんは、所属事務所と揉めた末に独立。『能年玲奈』は本名であるにもかかわらず、使用するには前事務所の許可が必要ということで、2016年から『のん』に改名しています。

 本人はこの名前を気に入っているのでしょうが、商業的なネームバリューが落ちてしまったことは否めません。6年以上経っても、世間は頭の中で『元・能年玲奈』と変換作業をしている状態ですから、名前を取り戻してモヤモヤを解消してほしいと感じている人も多いようです」(芸能ライター)

 過去には、事務所独立で改名を余儀なくされたタレントは多いが、一石を投じる判決となりそうだ。