「性的だ」と批判の大阪駅広告、代理店「修正重ねており、問題ない」「尾辻氏に申し上げることはない」
立憲民主党の前衆議院議員・尾辻かな子氏の投稿で話題となった、JR大阪駅の対戦型麻雀ゲーム「雀魂(じゃんたま)」とテレビアニメ「咲-Saki-全国編」とのコラボポスター。ネット上には「性の商品化」などと批判する尾辻氏に同調する声もある一方で、「捉え方は本人次第」「世代間ギャップもあるのでは」など萌え絵を巡る議論が、ジェンダー論、憲法論にまで発展している。
駅や車内のポスター、看板の管理や運営を担当する総合広告代理店JR西日本コミュニケーションズに経緯を聞くと、「複数の担当者で問題がないかを検討し、修正を重ねて出来上がった」と話し、配慮して仕上げたと明かした。11月27日に契約満了で掲示を終了したといい、同社として尾辻氏に抗議するなど対応をする予定はないという。
●「落としどころを探った結果」
咲は女子高生が麻雀の腕を競う漫画で、テレビアニメ化や浜辺美波さん主演で実写化されるなどしている。11月16日から「アニメ咲-Saki- 全国編」と「雀魂」のコラボ第2期が始まることを受け、ポスターは11月21〜27日に掲示された。
JR西日本コミュニケーションズには、尾辻氏のツイート後「その通りで不快だ」との意見や「御社は何も間違っていない」との応援の声など賛否両論が寄せられたという。
JRでは性的な表現や暴力などについての規定を定めた「広告意匠審査ガイドライン」を設けており、一般には公開していないものの、指定代理店と共有しているという。交通広告の規制に関しては「鉄道事業者はそれぞれに設けているはずだ」とした。
今回のポスターもガイドラインに沿って、複数の担当者が検討。「キャラクターの個性を維持しながら、『肌の露出が多すぎる』『(人によっては)不快だと感じる』ようなものは極力排除し、何度か修正しました。クライアントと複数回、やりとりをしながらお互い納得する落としどころを見つけたというところです」
「ぱっと見た感覚は人それぞれ。男性だけの意見ではだめなので、女性社員にも聞きます。場合によっては専門家や顧問弁護士に意見を伺うこともあります」
●尾辻氏に言いたいことは「特にない」
また、「R指定」があるかなど客観的な指標も判断の基準にしているという。咲は実写化ドラマもあり、テレビアニメ放映もされている。これまでの作品の中身全てを確認することまではしていないが、地上波テレビ局での放映は既に一般の目に触れているという意味で、問題ないとの判断に至ったようだ。
同社担当者は、騒動となったことに対して「ご心配をおかけして申し訳ないです」と陳謝。尾辻氏に言いたいことがあるかを問うと「特にございません」と回答した。