サウジ、すごい!W杯の歴史上「最強の番狂わせ試合」ベスト10
100年の歴史を持っているFIFAワールドカップ。その中では意外な結果になった試合も数多く存在した。
今回はその中から「ワールドカップの歴史上最もすごかった番狂わせ」を10試合ピックアップした。
2002年大会:フランス対セネガル
結果:0-1
日韓ワールドカップの開幕戦で起こった大会最大の番狂わせ。1998年ワールドカップの王者であるフランスは、ジネディーヌ・ジダンが大会前の韓国戦で怪我をしたため万全ではなく、苦しい状況だった。
開幕戦で彼らと対戦したのはワールドカップ初出場となるセネガル。パペ・ブパ・ディオップがゴールを決めてリードを奪い、ユニフォームを囲んで踊るパフォーマンスを披露して話題になった。
なお現在セネガルの監督を務めるアリュー・シセはこのときの中心選手。ゴールを決めたパペ・ブパ・ディオップは病気のため2020年に死去している。
1990年:アルゼンチン対カメルーン
結果:0-1
ディエゴ・マラドーナがまだプレーしていたころのアルゼンチン。もちろんファンは彼が大暴れすることを願っていたが、「不屈のライオン」カメルーン代表が勝利を収めた。
なおこの大会ではカメルーンがグループステージを突破することに成功して「アフリカ旋風」を巻き起こしたものの、その後は一度もベスト16に進出したことがない。
なお当時のカメルーンには38歳のロジェ・ミラがいたが、彼はなんと4年後のアメリカ大会でも42歳でプレーし、しかもゴールを決めている。
2014年:イタリア対コスタリカ
結果:0-1
「死のグループ」と目された組み合わせの中で、コスタリカは問題外のチームだと思われていた。しかしながら、彼らは開幕戦でウルグアイを相手に勝利を収め、さらにイタリアも撃破した。
イタリアとイングランドが敗退し、コスタリカは首位で決勝トーナメントに進出。ベスト16でもギリシャをPK戦の末に破り、同国の歴史上最高の結果を残している。
ただその4年後のロシア大会ではグループステージで敗退しており、コスタリカは今回のワールドカップこそ大きな結果を出そうと心に誓っているはずだ。
1950年:イングランド対アメリカ
結果:0-1
1930年に行われた第1回のワールドカップで3位に入ったアメリカ合衆国であるが、サッカーの伝統はそれほど続かなかった。その一方、サッカーの母国イングランドでは非常に盛んなスポーツとなっていた。
しかしこの試合ではジョー・ゲーチェンスというストライカーのゴールでアメリカが勝利を収め、驚くべき結果となっている。なお、この両チームともにこのグループステージを突破することはできず、スペインが次のラウンドへと駒を進めている。
アメリカのヒーローとなったジョー・ゲーチェンスは1964年、家族の出身地であったハイチを訪れた際に国家の秘密警察に逮捕され、そのまま刑務所で獄中死したという。遺体が発見されていないため、死因は不明だ。
2002年:韓国対イタリア
結果:2-1
韓国はこの前の4大会連続でグループステージ敗退となっていたが、開催国になったことでその流れは変わった。激しい応援に支えられたチームは、フース・ヒディンク監督の下で躍進を遂げる。
ポーランドとポルトガルを相手に印象的な勝利を収めてグループステージを突破すると、ベスト16ではイタリアと対戦。審判のジャッジにも助けられ、延長戦の末にアン・ジョンファンの決勝ゴールで勝利を収めた。
なお、韓国はこのあとベスト8でスペインを相手にPK戦で勝利を収めたが、審判の判定については多くの論争が行われた。
2010年:スイス対スペイン
結果:1-0
EURO2008を制覇したスペイン代表は、優勝候補の筆頭としてワールドカップ2010に臨んだ。ただビセンテ・デル・ボスケに率いられたチームは、ダーバンでの開幕戦で苦労することになった。
ジェルソン・フェルナンデスのゴールでリードを奪ったスイスは、その後調子が上がらないスペインの攻撃をシャットアウト。1-0で勝利をものにした。
ただ、スペインはこの敗北によって狂わされることはなかった。見事に立ち直ったチームは決勝まで勝ち上がり、アンドレス・イニエスタのゴールでオランダを撃破。世界王者に輝いている。
1966年:北朝鮮対イタリア
結果:1-0
北朝鮮がワールドカップで輝いたのは1966年だ。2度の優勝を経験しているイタリアが圧倒的な有利だと目されており、グループステージ第2節で彼らはソビエト連邦に敗れていたため、勝利が義務付けられていた。
しかしながら、そこで力を見せたのは北朝鮮だった。パク・ドゥイクが42分に先制点を決め、そのまま1点のリードを守りきって勝利。イタリアを敗退に追い込んだ。
また北朝鮮は決勝トーナメントでもエウゼビオ擁するポルトガルを相手に激闘を繰り広げ、一時は3-0とリード。その後5点を奪われて逆転されるも、大会の歴史上でも屈指の名勝負を見せている。
1982年:西ドイツ対アルジェリア
結果:1-2
2度の世界王者になった西ドイツは、この1982年の大会で優勝候補の一つだった。逆にアルジェリアはこれが初めてのワールドカップ。もちろんダークホースとしても扱われていなかった。
しかしながらあの伝説のFWラバー・マジェールが先制点を決め、さらに天才司令塔ラフダル・ベッルーミが追加点。アルジェリアがグループステージ初戦を勝利した。
ただ、結局グループステージを突破したのは西ドイツ。その後決勝戦まで進み、イタリアに敗れて準優勝となっている。
1998年:ブラジル対ノルウェー
結果:1-2
グループAの最終節で行われた試合。ブラジルはすでに2連勝していたが、ノルウェーはここで勝たなければならない立場であった。
78分でベベットに先制点を許したノルウェーであるが、83分にトーレ・アンドレ・フローが同点ゴールを決め、さらに試合終了間際にPKで逆転。ベスト16進出を引き寄せる大きな勝利を獲得している。
2022年:アルゼンチン対サウジアラビア
結果:1-2
他にも1974年の東ドイツ対西ドイツ、1998年のカメルーン対スペインなどが候補となるが、やはり今大会のアルゼンチン対サウジアラビアほどのインパクトは珍しい。
世界最高の選手であり、36試合もの無敗記録を維持していたアルゼンチンを、中東の大穴サウジアラビアが撃破した。しかも序盤で失点しながら、後半スタートで電撃的な逆転を決め、それを守り切るという劇的な内容だった。
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おそらく今後ワールドカップの歴史としても長く語り継がれるアップセットであったはずだ。